着いてから街のガイドブックを読んでいたら、この街にもカジノがあることがわかりました。”も”と言うのは、バースもそうだったからです。確かバースは”かつて”で、バーデンバーデンは現役であるという違いはありますが。
歩いてすぐだったので、行ってみました。瀟洒な建物で、その横にはレストランやサロンが併設されています。これをクアハウス、と言うそうです。今の日本では、正直言ってかなりイメージの悪いカジノ。でも、バースやバーデンバーデンでは、王侯貴族をはじめとする上流階級の上等な遊びでした。(まさに究極の暇つぶし)客層によって素敵な遊びにも単なるギャンブルにもなる、という好例ですね。この2件、モナコほどの上流感はないものの、適度にゆるい感じが温泉地の遊び、という印象を与えます。
そもそも、街全体にあまり若い人、騒ぐ人があまり居ない、というのも似ています。シニアなお金持ちで、ゆっくり~ゆっくり~という印象。スパ、カジノに加え、オンシーズンは野外コンサートが多く開かれているようで、芝生はこの時期でも綺麗な緑。とてもよく手入れされていて、ここでのコンサートやガーデンパーティはさぞかし楽しいだろうなあ、と感じました。
同じ温泉街でも熱海と随分違うのは、向こうは”男の街”として発展。なので純粋にお風呂を楽しむというより、芸者さんがいたり、それ以上のサービスを提供する女性がいたりと、やや”陰”な感じに発展したあたりが今につながっているのでしょうか。一方、温泉街に来るのは上流社会の人の健康管理のためで、であるが故に社交につながったヨーロッパのスパとその成り立ちや歴史の違いを実感しました。
日本でも温泉協会の人たちはよくバーデンバーデンには視察に行っているようなのですが、何を感じて帰ってきたのか、とても興味深いものです。(おやじさんたちが多いからなあ・・・)