被災後の立ち直りにはいくつかの段階があると専門家は言います。その段階の一つがこころのケアです。私はここにセラピーの役割があると思っています。
スパとエステの違いの根本は考え方そのものだと思います。美しくなる、という言葉のエステティックには”もっと”の意味があるように感じます。それに対してスパの範囲は広く、健康・美容・水・癒しとキーワードも多様です。欧米ではREIKIなども入り、スピリチュアルな部分も多くあります。自分が美しくなりたい、との思いの前に、精神的な安定やまずは健やかであることを求める人たちに提供するサービスがスパであると考えています。
米国で911が起きた後、多くの人が精神的にダメージを受けました。その際、人と話すこと、人に触れてもらうこと、安らかな時間を持つことの大切さに気付くひとが多かったといいます。ここ数年の欧米でのスパブームの一端はこのとき傷ついた多くの人へのセラピーにあったと言えるでしょう。
すでに一部の避難所ではボランティア団体が動いていますが、避難しておられる方のケアに、セラピストたちが貢献できる場を作れるといいなと思っています。