参議院選挙が終わり、与党の過半数割れという結果で終わりました。
安倍一強の無風状態から一転、様々な議論が起こり、三連休中日だったにも拘わらず投票率が上がったことは良いことだと思います。そして、ようやく投票したいと思う党が出てきたことも、私にとっては嬉しい事でした。期日前投票に出向きましたが、こちらも活気があり、選挙そのものに勢いを感じる瞬間でした。
投票結果が報じられる際、街頭演説の様子やその後のインタビューが報道されますが、こちらも数時間見ました。まず感じた事は、自民党・公明党・立憲民主党など、既存政党の”老い”です。恐らく党首は70代がメインで、どの画面からも疲労の色を強く感じました。これに対し、若い政党である国民民主、参政党などからは、勢いしか感じません。
まず、これを見ていて、世代交代は必要だろうと感じました。経済の世界では、次々と若い経営者が出てきており、大企業や老舗企業でも若い経営幹部や女性幹部が活躍しています。長年、こういった事は日本企業では起きないのではないかと言われてきましたが、努力して変革してきています。これには、海外からの投資を受け入れたことで、経営自体も一定のグローバル基準に対応する必要が出てきたことが大きく影響しています。
テクノロジーが進化し、経済の在り方も大きく変化する中で、日本においては政治の世界だけが古色蒼然としていて、制度疲労を起こしています。その影響が霞が関の働き方に悪影響を及ぼし、人材流出が起こったり、テクノロジーの導入の遅れがコスト高に繋がっていたりと、昭和をそのまま引きずっているように見えます。
当選したみらいの党の党首である安野氏がさっそく投稿していましたが、国会にはスマホの持ち込みは許可されているものの、パソコンやタブレットの持ち込みは不可なんだそうです。理由は、”品格を損なう”とのことでした。デジタル機器が品格を損なう・・・それ使う側の理由なのでしょう。国会中に、国会議員がスマホを使用していることが問題になったことがあります。内情を知る人から聞いたところによると、ゲームする人、動画を見る人、この後行く飲み屋の予約をする人、などなど、学生の受講よりも”品格がない”状況なんだそうです。それで一旦は、許可しない方針が出たものの、災害が起きた場合に備えて、連絡手段として許可された経緯があると聞き、あきれ果てました。
デジタルが当たり前の時代に、自ら努力することをせず、”対面”重視で、始終霞が関の若手官僚を呼びつける国会議員。何度も何度も同じ話をブリーフィングしないと話が先に進まず、やる気のある若手は疲労を重ねていってしまいます。これ、一般の企業なら即刻厳重注意ものですし、そもそも勤務継続できません。そのレベルが、多くの税金を費やして運営している国会に存続していること自体がこの国の大問題だと思うのです。
そういう議員が多いと、公的機関でデジタルが”使えない”高齢者の側に立った制度設計になります。コロナのワクチン接種の事を振り返ると、生きるか死ぬかになれば、何とかするものです。民間企業では、DXで効率化やコスト削減が進みました。これで経営を強化出来た企業は、国際競争力を付けています。デジタル化の指導を役所側では行いますが、本丸では1995年以前の様子が続いているということです。これではどうにもなりません。
政権交代の選挙から、世代交代の選挙になった印象が強い今回の参議院選挙。ようやく動き出した印象を持ちました。