このところ、懐かしい人たちとの再会が続き、ご縁に恵まれることのありがたさをしみじみ感じることが増えてきました。学生時代、社会人になってから、と出会ったきっかけは様々ですが、仕事をきっかけに広がる縁もあり、しかもタフなプロジェクトを一緒に乗り切った仲間ほど絆が深く、仕事も悪くないな、と感じる所以です。
友人の縁をそのまま仕事につなげることはほとんどありませんが、仕事で知り合った、勉強会で知り合った、というご縁が10年経って形になることもあります。いつか一緒に仕事をしたいと思っていても、その舞台がすぐに出現するとは限りません。ずっとコンタクトを取りつつ、いい形で具現化したときの喜びはこの上ないものがあります。
一方で、打診はあるものの、こちらも知人としての好意で深夜まで企画書や提案書を作ったものの、なしのつぶてで一切のフィードバックが無い、ということも残念ながら皆無ではありませんし、信頼を逆手にとって、こちらに負担がかかってしまうような仕事の進め方をされる方も中にはおられます。こういうことがあると、本当に落ち込みます。紹介した方が不誠実なことをされてしまい、関係者にお詫びに回ったこともあります。もともと人を信じやすく、やや無防備なところもある私ですが、さすがに周りにご迷惑をかけた折には、もっと慎重でないと、と猛省するきかっけになりました。用心するといっても、長年培われた性格を変えることは難しく、信じるところは信じるものの、安易に人のご紹介はしない、フィードバックをしてくださらない方とは、仕事をご一緒することは控える、と自分なりのルールを決めました。
ご縁は社内にももちろんあります。入社・退社は毎年ありますが、退社された方とご縁を持てることは嬉しいことです。もっと勉強したい、家庭の事情で引っ越しをした、キャリアチェンジした、と会社を去る理由は様々ですが、スタッフ同志でも連絡を取り合っているのを見ると、私もかつてそうであったように、会社という場が人の縁を広げるきっかけになっているようで、素晴らしいことだと感じます。
シニアスタッフが退職する際には、ほとんどの方が挨拶に来てくださるので、食事会なり餞別をお渡しする機会を持ちます。あまり形式を重視しない私ではありますが、この最後の機会はとても大切だと思っています。楽しい時間を持てた、という記憶は必ずその後のいいご縁につながるものです。
私自身、過去退職する折に、辞め方がとにかく大切だから、と先輩たちから教えを受けました。仲の良かった同僚だけでなく、やや遠い存在だった人、難しい関係だった上司など、在職中に苦手意識を持っていた人のところほど丁寧いにあいさつして回るように、と指導されました。今よりもっともっと未熟だった私にはかなり憂鬱なことだったのですが、確かにみなさん最後の日は驚くほど暖かく接してくださいました。そして”頑張れよ!”と笑顔で送り出してくださったのです。そして5年たち、10年たち、私の環境も様々に変わる中、様々な形で応援してくださいます。
会社を設立して5年、経験者を優先して中途がほとんどだったうちの会社も、若手の社員が増えてきました。社内でキャリア形成の話をすることはほとんどありませんが、人のご縁がいかに大切か、ということだけは伝えていきたいと思っています。