お茶会に行くと、茶室には床の間があり、書画が掛けられています。待合と呼ばれる前席には、絵や柔らかい文人画が掛けられることが多く、本席と呼ばれるお茶席には、お坊様や流派によっては家元が書かれたものが掛けらています。
この掛物が茶席のテーマになることが多く、お坊様が亭主の席では、禅語についてしばしお話があります。
海外から来る方は、日本の文化に禅・ZENをイメージされることが多く、座禅、瞑想、マインドフルネス(最近聞かなくなりましたね)もここから広がっていて、質問される機会も増えました。
とはいえ、禅にも仏教にも詳しいわけではないので、”ZEN好き”な外国人に遭遇すると、ああ、困ったなあと思うこともしばしば(笑)
でも、ある事から自分なりに解釈できるようになりました。それは久々にコンサル仲間と話した時のこと。ある瞬間、”so what?"という言葉を耳にしたのです。おおっ懐かしい、この言葉。
学卒でBCGに入った後、いったい何度この言葉を投げかけられたことか・・。百の単位では収まらない気がします。考えるだけ考えて分析した後で、これを言われると、人格否定された気分になり、もーいいっ!と雲隠れしたこともあります(すみませんでした)。
人に言われると傷つくので、分析途中で自問自答するようになります。ホワイトボードを前に、何度も何度も。数年これを繰り返して、何とか、言われる頻度が減りました。(ゼロにはなりません)
So what =で、それが何なの?が直接の意味ですが、要は、”今それ考えなくても良くない?””それって大したことじゃないよね?””それを細かく対処しても、結果変わらないよね?”といった具合に展開していく言葉です。経営においては、些末なことより大きな軸を決めていくことが大切ですが、経営者でもそれを見誤り、小さな問題に時間と費用を突っ込んでしまうことがあります。これが続くと会社は破綻するわけで、これをきちんと修正するのが優れたコンサルの役割になります。大企業には多くの課題があり、優先順位がわかりにくい場合が多いのですが、これが整理されて、やるべき項目が絞られ、やるタイミングが明確になると、組織には勢いが出てきます。
今になってわかること、人生も同じだ・・。
禅の基本にある、”今目の前にある事に集中する”は、結局この事だったんじゃないか、と何だかすっきりした週末でした。