茶道のお稽古を再開して、3か月め。接客のヒントになることが見つかれば、との思いもあったのですが、日々感じるのは、スパの原点が多くあるということ。
利休七則は、もう何から何まで”その通り!”という感じなのですが、素材の扱い方にも、共通の哲学を感じます。
茶道で使われるお道具に、”高級な”素材はありません。木、布、竹、鉄、陶器。敢えて高級品と言うなら、お茶入れの蒔絵ぐらいでしょうか。お茶の点前の中で、もっとも多用されているのは竹です。お道具拝見の2アイテムの中の一つ、茶杓は、お作と銘を尋ねるぐらい、格上です。そのごく当たり前の素材が、点前によって、命を吹き込まれ、とても重要で貴重なアイテムに生まれ変わります。
これはスパも同じです。スパに置かれているものに、高級な材質のものは無く、自然の中にあるものが部屋に置かれます。茶道の”花は野にあるように”と同様、空間の中に自然を表現します。そんな中、水も石も、そして木や竹も、トリートメントの中で役割を与えられます。
たった1本の竹の棒に、生命を吹き込む茶道。心を込めた丁寧な扱いが、相手への敬意を伝えていきます。自然を切り取って宝にするセンス、やっぱり利休は天才です。発見の多い、幸せな一日でした。