『SPA IN LIFE」を上梓してから1年が経ちました。
日々刻刻と状況が変わる中、一度活字にしてしまうと、自分を縛ってしまう気がして本を書くことにはずっと躊躇がありました。でも、書いた瞬間から変わってしまったとしても、この10年のことをまとめておこうと思って、まとめたものがこの本です。
編集の方と相談して、3つのパートにまとめました。
執筆しながら感じたことは、タイトルでもあり、最終章でもある「SPA IN LIFE」がまだ浅い、という点でした。だから何、だからこうした方が良い、とスパの顧客やウェルネスに興味を持ってくださる方に、伝えられるコンテンツが少ない、と感じてしまったのです。
第1章と2章は、過去でしかなく、第3章こそが、私にとっての未来です。一緒に未来を作ってくれる仲間と出会いたい、と思って上梓した本なので、出会いを待つだけでなく、自分でもコンテンツを作ろう!と思い始めました。
そんな折、学びの場が訪れました。日本発の化粧品作りに取り組んでいるグループの勉強会です。もう基礎の基礎から勉強です。
スキンケアや化粧品に関しては、テレビや雑誌はじめ、多くの情報が溢れていますが、そのどれを信じて良いのか、は混乱することが多々あります。セラピストたちは、基礎を学校で学んできますが、技術の進化や環境の変化により、あっと言う間に状況が変わってしまいます。
象徴的なのが、ALL THAT SPAの製品でも使用している柚子の光毒性です。
アロマセラピーの授業では、柑橘類のエッセンシャルオイルには、光毒性があり、日中の使用は控えるように指導されます。でも実は、それは製法によることを知りました。通常の圧搾法では確かに光毒性があるものの、蒸留法であれば、全く無い、というデータが提出されました。これは、高知大学による検査結果です。
頭皮のマッサージは気持ちいいいけど、気持ちいだけなんだよね、と言われていたかと思うと、実は頭部にもリンパがあることが発見されました。老廃物を流していくのに、今や頭部のマッサージは欠かせません。
このように、人間の体や自然の産物がメインのスパの領域であっても、科学の進歩がもたらす要素は多く、”気持ちいいい”や”いい香り”といった五感に、ロジックが付いてきている印象があります。老化や皮膚の構造についても、日々多くの研究成果が発表されています。
この本を出した後、ワークショップをやりたい!と思って意気込んでいたものの、諸々の事情により、あっと言う間に1年が経ってしまいました・・。そういう意味では、ちょっと不完全燃焼感のある出版の年でした。
が、嬉しいこともいくつか。この本に共感した、と声をかけてくれる社外の方々、それにスタッフとして加わってくれるセラピストとの出会いがありました。一緒にこの夢を実現したい、この内容に興味あります、という声を聞くと、本当に勇気を出して書いて良かったなあ、と思いました。
そんな声とともに加わってくれたスタッフは、自分の力で茶話会を始めました。本当にすごい実行力と企画力です!
https://www.showakan.co.jp/news/topics/sawakai-02/
フォレスト・イン昭和館の皆様にもご支援いただき、第2回、第3回と続いています。リピート参加のゲストも増えてきました。私ひとりでは、広げていけないウェルネスの輪を、こうやって広げてくれる人が仲間になってくれるのは、本当に嬉しいです!
今年は、各地でこういった輪を広げるスタートの年にできればと思っています。これが社名のウェルネス・アリーナの目標なんです。