箱根に初めて行ったのは、大学時代のサークル旅行のことでした。手軽に東京から行けることに加え、大涌谷のようなワイドるな場所や温泉宿、それに美術館まで多様に揃っていることに驚きました。サークル旅行の後、時々は一人で強羅の方にも出かけていました。
箱根もうでは、社会人になっても続いたのですが、少し行き先が変わり、勝又シェフのオー・ミオドーや、強羅花壇にも足を運ぶようになりました。特に、強羅花壇は、女性一人の宿泊を受け入れてくれる数少ないお宿だたため、”おひとりさま”ステイを楽しんでおりました。この頃から、強羅花壇では、青山のラ・フラームのスタッフがエステサービスを提供していました。これが、ある意味、日本におけるホテルスパの始まりだと思います。フランスのスパ&オーベルジュをヒントにしたと伺いました。
この頃の箱根には、大箱=宴会ツアー向けの宿か、強羅花壇のようなお宿の2タイプしか無く、若い世代が気軽に楽しめるところは、あまりありませんでした。宴会の後、浴衣をはだけて歩くおじさんたちも多かったので、女性旅に向く場所では無かったと思います。(熱海なんかも同じでしたけど)
それが、今や、女性旅向けの宿やサービスが増え、ファミリーで楽しめるところも増えました。日帰り、足湯、比較的大箱の宿、20部屋以下のこじんまり系、カップルおこもり系まで、本当に多種多様です。湯本、宮ノ下、仙石原、強羅と場所が変われば雰囲気がガラリと変わるので、同じ箱根エリアでお宿を変えるのも楽しいと思います
このところ目立つのが、外国人旅行客です。館内着の浴衣や作務衣を着てお食事処で和食を楽しみ、お風呂でも露天からの景色を堪能していた様子です。アジア系の方より欧米系の方が目立ちました。
この景色にため息つくところは同じなのですが、
お風呂&和食でまったりする日本人とは違う楽しみ方もあるようで、トレッキングやヨガを楽しむ服装や質問をする方を多く目にしました。小さな赤ちゃんを連れた若いママが、赤ちゃんとヨガに参加したいので、抱っこひも(?)のレンタルはあるか?と尋ねていたのが印象的でした。
こうなってくると、箱根も散策路とか朝陽を受けながらヨガや瞑想ができる場所を、エリアとして用意した方が良いように思いました。ちょっとした施設とプログラムを作ることで、滞在日数が増えます。ちなみに、今回滞在したお宿、最長8泊した外国人ゲストがいたそうです。料理長は日々工夫してメニューを変えていたとのことでした。
そんなアクティブ系外国人の一方で、3世代ファミリーも目立ちました。介護が必要なおばあちゃんを、娘と孫がケアしながら、ゆっくり温泉を楽しむ様子は本当に微笑ましく、きっとこの旅を楽しみにしていたんだろうなあ、という気持ちが伝わってくるようでした。
昔ながらの箱根の温泉宿は、段差や階段が多く、高齢者向けとは言えません。エレベーターが完備され、どこでも車いすが使えるスロープと通路幅があります。新しく出来たお宿だからこそ、提供できる安心感があるんだろうな、と感じました。
箱根では、まだまだお宿が出来ると見えて、工事中の区画を多く目にしました。おこもり系もあれば、外資系もあり、まだまだ選択肢は増えそうです。