ラベンダーの季節になりました。梅雨のない北海道では、この季節から8月中旬ぐらいまで富良野の畑が紫に変わります。夏のヨーロッパも同様で、夏に良い香りを放つ広いラベンダー畑では、畑の中で蒸留を行い、秋を感じられる頃には、畑に蒸留に釜がゴロゴロと転がっていました。(ワイルドです)
アロマテラピーを学ぶ人にとって、特別な精油であるラベンダー、フランス人医師ジャン・ヴァルネ博士が1950年代のインドシナ戦争の際、フランスの軍医として従軍した際、兵士の負傷のためにラベンダー精油を使用し、火傷の治療などで効果を上げたことから、フランス式アロマテラピーは、医療に近い領域で発展したという背景があります。リラックス主体のイギリス式に対し、高濃度高希釈で使用して、効果を優先するというフランス式のやり方が生まれたきっかけです。
一方で、精油の前に愛用されていた芳香蒸留水は、洗浄剤として活用されてきました。Lavareはラテン語で”洗う”という意味があります。殺菌力・抗菌力に優れている点や、香りの良さが生活になじんだ理由でしょう。
そんなラベンダー、日本でも栽培する場所が広がっていますが、もともと降水量が少ない地域の方が育ちやすく、かつ標高700メートルを超えないと真正ラベンダーとして生育しないため、栽培に適した場所はおのずと限られます。日本では適した土地としては、まず北海道が挙げられます。代表格は富田ファームで、こちらでは、試行錯誤の末に、日本に合った品種を開発し、国際的な賞も多く受賞するまでになりました。私が洞爺でスパの立ち上げのため、地元の素材探しをしていたころは、精油としてトリートメントに使用できるものがなく、芳香蒸留水やピローマスクなどお土産品として販売しておられました。そこからの進化は本当に素晴らしいです。
ALL THAT SPAの製品に使用されているラベンダー精油は、すべて富田ファームさんのものです。
SPA sunyaのメニューを開発するにあたり、ドライフラワーを使ってみることにしました。少量でも良い香りなのですが、束で取り寄せると本当に香りが素晴らしい!
精油を採取する際も、刈り取った後数日間陰干しします。こうすることで、エステルの含有量が高まるそうです。このドライフラワーはその状態!
この香りを楽しみだけでも素晴らしい経験ですが、スパではこれをスクラブ剤として使用します。
ベースはALL THAT SPA Renewal ScrubのPURIFIANTE で、もちろんこのスクラブにも富田ファームさんのラベンダー精油がブレンドされています。
お客様に、ハーブバーのカウンターで混ぜていただくのですが、ラウンジいっぱいにラベンダーの香りが広がります。
精油のボトルから滴数を出すだけでは伝わらない、ラベンダー本来の魅力を感じていただければと思っています。