“養生訓”を記した、貝原益軒は、自身が病弱であったため、自身の健康管理には非常に気を遣っていた、と伝えられている人だ。幼い頃から、いつも手元にあった本だったのだが、子供には内容が難解であったことと、そもそも体調が悪いときに“こうあるべき”といったお説教がましい本は勘弁“と思ったこともあり、あまり内容を理解するまでには至らなかった。
スパを立ち上げ、ISPAなどの集まりにも出席するようになってから、どうも海外には“スパ学”のような出版物がたくさんあることに気がついた。そういった書籍を読み進んでいくと、
* 人生における価値観をどうとらえるか
* 部屋の汚れと同様、心の汚れも取り除く
* 食事は控えめに
などどこかで聞いたような内容が次々に出てくるのに驚いた。棚の奥深くに押し込められていた、“養生訓”を読み返してみると、本当に重なることの多いのにビックリ!
と、考えてみると興味深いのが、この時代にも“食べすぎ”“ストレス”“人間関係”の悩みがあって、現代人と同じく、ココロとカラダの健康を気にする人がいた、ということなのですね。
時代と国を超えて、Well-Beingであろうとした貝原益軒になんだか親しみがわくと共に、その内容の深さに感心もして、今やバイブルとなっているのだ。