お引越し以降、移転届けとかネット接続とか追加家具の搬入など、モロモロの細かい作業が続いています。プレミアもお引越ししてくるので、今週末まではこの作業が続きます。
こういった総務的な業務は、会社を経営する上で、避けて通れないものです。事務所を作ったり、引越ししたりした経験はもう10回を超えますし、会社設立は自分の会社が2回目、投資やベンチャー業務としては7~8回やっていると思います。だんだん慣れてはきたと思いますが、それでも”あっ忘れた!”ということもまだまだあります。
スパの立ち上げを目指される方に、私がしつこいほどお話するのは、スパのスタートアップや経営は、トリートメントを全く違う、ということです。計画を立て、資金の手当てをし、購入品や改装などの段取りを組み、スタッフを採用して、というプロセスは、通常の会社設立とほぼ同じです。
私自身、たまたまのご縁で、会社を設立する、とか事務所を借りる・解約する、などの業務をやった経験が無ければ、自分でスパのオペレーションを立ち上げよう、などということは考えなかったような気がします。
日本でサラリーマンとして勤務している場合、ほとんどの方がこういった業務とは無縁です。私もずっとそうでした。しっかりした総務部門があり、転職手続きや年末調整の書類すらなかなかきっちり書けず(おまけに時々遅れたり無くしたりして)迷惑をかけてしまう、というタイプでした。それが、ある折、VB業務に携わることになり、自分たちの事務所を作ることや、投資先の事務所を世話することを経験することに。もう不慣れもいいところで、右往左往。起業する人ってすごいなあ、と心から尊敬したものです。
この業務を不満タラタラでやっていた頃、シリコンバレーのベンチャーを訪問する機会がありました。事業計画のプレゼンを受け、オフィスを視察するためです。ロスの郊外のビルの中に事務所はあり、PCや家具は中古やIKEAなどで購入したものでした。必要なものはきっちり揃えるけれど、可能な限り安く、そして効率的なスペースはしっかり確保する、というスタイルは、節約に節約を重ねる日本の中小企業とも、VCから多額の出資を確保し、突然立派な事務所を構えてしまうぽっと出ITベンチャーとも、全く異なっていました。その様子を見て、米国の起業って、何だか楽しそうだなあ、と思ったものです。
その後、いくつかの企業再生に携わり、スパの立ち上げを行ったりして、会社を設立し、事務所移転に至っているわけですが、かつての”う~面倒くさい”というマインドのままでは、こういう方向にいかなかっただろう、としみじみ感じます。
何度かの試行錯誤を経て、空間の作り方や、かしこいお買い物など、少しずつ上達しているような気がします。(私が特にこだわるのは導線、ストック容量、水まわりの機能なのですが)人生無駄なことって無いんだなあ、と思いつつ、今日も棚の整理に取り組み中です。