今年のミシュランが発表されました。まだ詳しい内容は見ていませんが、和食の石かわが、昨年の2ツ星から3ツ星に上がった、と新聞に出ていました。
賛否両論、色々ありますが、私は基本的に賛同派です。ただ単純に、好きな店が褒められているから、という身勝手な理由にすぎないのですが。
石かわに行き始めたのは、5年ぐらい前のことだと思います。その頃は今と違う場所(神楽坂の坂の下に近い場所)にあり、今よりスタッフも少なくて、もっとこじんまりした店でした。味はもちろん素晴らしいのですが、器の選び方、その温度、出し方など、全てに細やかな気遣いが感じられ、なんとも言えない幸せな気持ちになれたのを良く覚えています。
それから、大事なお客様、友人との会食には、予約が取れる限り、石かわにお邪魔するようになりました。季節折々の料理がそれは美味しく、美しく、1回として”いまいち”だと感じたことはありません。
器がいつも素敵なので、”こういうのはどうやって集められるんですか?”と質問したところ、板前修業を始めた頃から、一つ一つ買い集めたんです。だから個数が揃ってなくてバラバラなんですよ。という話を聞かせていただき、”う~ん、一流になる人は心がけが違う”と感心したのを覚えています。
それから、店の場所がちょこっと坂上に変わり、我が家にはもっと近くなりました。席数も少し増えて、スタッフの数も増えました。でも、石かわさんは変わりません。料理は進化し続けていますが、丁寧な所作、店の外まで出て、姿が見えなくなるまで見送ってくださるその姿勢。
石川さんのファンは多く、取り上げる雑誌も山のようにあります。こんな中、少し奢ったり傲慢になっても不思議はないはず。でもずっと変わらない。それがこの店の素晴らしさだと思うのです。料理が最後に近づくと、石川さんご本人が挨拶に来てくださいます。”美味しかったです!”と口々に感想を述べると、何とも言えない笑顔で応えてくれます。
それでまたほんわかした気持ちになり、次の季節もまた来よう!と思うのです。私の大好きな石かわ。去年のミシュランで2ツ星に選ばれたときも嬉しかったけれど、今年この店が3ツ星になり、今年はミシュラン本を好きになりました。