若いころは、健康と美容は別物で、健康は年寄っぽく、美容や華やかなものだと思い込んでいました。でも、だんだん年齢を重ねたり、スパの仕事についたりしてくると、かなり根っこは一緒だということに気づきます。
とくにそう感じるのはTVで”かつてアイドルだった、かつて女優だった”人の40代・50代を見るとき。そしてその一方でちょっと気を遣っている友人(ただし美人ですが)の40代~を見るとき。
実は私の理想はあの”吉永小百合さま”なのですが、スクール水着でスイミングクラブに所属している、とか旅行が大好きで、その土地のものを食べている、とか料理もふつうにします、などという情報を(ファンだから)小耳にはさむと”やっぱりね~”と一人で何度もうなずいてしまいます。
私の周囲にも、下手な芸能人より若くてキレイ、という人がいますが、共通点は食べ物にこだわり、体のメンテナンスをこまめにしている、という点です。うちのスパに来てくださっている方も多いです。もともと美形であることは事実ですが(さぞかし20代のころはもてたでしょう)、年を重ねてなお”スッキリきれい”というのは本当に素敵なことだと思います。
そして感じるのは、年を重ねるほど、手をかけただけ維持できる、ということです。それは小手先のことではなく、1)ちゃんと動いて2)ちゃんと食べて3)ちゃんと寝て4)ちゃんと洗って保湿するという当たり前のことを丁寧に続けることだと思います。(こういう例は健康+美容ですね)
個人的には雑誌でよく見かける”美容”という言葉にはあまりしっくりきません。まだ”健康”であることの方が私には意味のあるような気がします。いろんな集まりに出席する中、”梶川さんも美容業界の一員だから”などと言われると、んっ?それは違いますよ、と思わず言い返してしまいます。”ホテル産業””ホスピタティ産業””健康産業”あたりのほうがまだ素直にうなづける感じです。
うちのスパでももちろんフェイシャルは行いますし、ちゃんと研究実績のあるものであれば、ハイレベルな美容液だって使います。”変わったわ~”と喜ぶゲストの反応には心からうれしく思います。でも、その前に、体は十分温まっているか、体内はちゃんと流れているか、毒素はちゃんと排出されているか、疲労は回復できているか、など、体全体の状態をまず考えます。
健康な状態まで整えて、その上に成り立つのが美容というものでは?という思いを更に強くした私。ちゃんと考えれば、健康と美容は根っこも同じ、かつ優先順位は健康でしょう、と思うのです。でも、まだまだ”別”という考えの人も多いようで、たま~に参加する化粧品会社の展示会やセミナーなどでは、かなり厚めの化粧の方々が”脅威の若さをお約束”とか”アンチエイジング”と連呼していました。う~ん、こういうのはホント引くなあ、やっぱり来なきゃよかったなあ、なんか怖いなあ・・と足早に会場を後にしてしまうのです。