先日、久しぶりに、石かわに行きました。昨年も何度か予約にトライしたものの、なかなか席が取れず、”今日””今週末”ではなく、”席が取れるときに”の覚悟を決めてお電話し、1か月先の席で金曜日の夜にようやく、という感じです。
その久しぶりの石かわですが、その手間と待つ時間をかける価値が十分にあるすばらしい時間と料理でした。今のお店に移転されてから、数回お邪魔していますが、たまたま会食が続いたため個室での食事となり、カウンターは久しぶりでした。
正直驚いたのは、以前と変わらず石川さんご自身が腕をふるわれ、接客にも出てこられることです。お電話した際にも、どこかで聞いた声、でもまさかね・・と思っていたら、”梶川さん、石川です~”と予約のお電話にも出られるし、今回の食事も、目の前で包丁を手にされ、最後のだしの確認をすべてされ、盛り付けの手直しをする姿を見ました。
そして料理はというと、更なる進化を遂げられ、素材の選び方、調理・味付け、そして器との調和ともう予想以上でした。一皿一皿、じっくり堪能させていただきました。
食事を終えて店を出ようとした際、石川さんの姿が見えなかったため、ほかのお客様へのご挨拶をなさっていると思い、スタッフの方に”よろしくお伝えください”と一声かけて、出ました。すると、外にはすでに石川さんが。この日、とても寒い日だったこともあり、恐縮してしまい、すぐに中に入ってくださいね、とお声をかけました。でも、私たちの姿が見えなくなるまで、ずっと石川さんは見送ってくれました。これは、お店を開けられてからずっとです。
このお店に通い始めたとき、まだ私はファンドの仕事をしていて、ホスピタリティ産業に近い場所ではありましたが、直接提供する立場ではありませんでした。徐々に中に入っていくと、変わらず高いレベルを保つことの難しさを実感します。
多くの人に賞賛されても、ミシュランで続けて三ツ星を獲得しても、ずっとその姿勢は変わりません。ご近所のとてもおいしい和食やさんとしてずっと通っていますが、いつも学ぶところの多い自然なもてなしの姿です。