6月にインテリアライフスタイルショーで発表された鳴海製陶の新製品OSOROが、本日の日経MJに掲載されました。先日は池袋西武で先行発売され、9月の本発売に向け、着々と準備が進んでいます。
鳴海製陶のアドバイザーとして、マーケティングを中心に経営全般ということでお手伝いをして早数年。会議室での議論も大切ではあるのですが、何か目に見えるものにした方が方向性が見えやすいのではないか、ということで、ワークショップを立ち上げました。その中で設定したテーマの一つが形になったのが、このOSOROです。 問題意識はあっても、方向性が今一つはっきりせず、力が分散してしまっている、と感じるとき、私は大抵、このワークショップの手法を使います。原型を学んだのは、コカ・コーラに在籍しているとき、ワールドカッププロジェクトのリーダーを拝命したときでした。悩む私を見て、上司がわざわざ海外からトレーナーを呼んでくれ、学んだのがこの方法です。その後リーバイスヨーロッパで参加したコンセプト開発のワークショップのプログラムの一部も加えています。ウィンザーホテル洞爺の立ち上げの折には、寒い冬の洞爺で何日にも亘ってとことん議論して商品を固め、サービスフローを作りましたし、シーガイアの再生の折にも、チームに分けて実施しました。
今回、初めて、外部コンサルタントとしての立ち位置でしたので、これまでとはやや勝手が違う面はありましたが、その分、引いた立場ならではの冷静な判断につながり、新たな学びがありました。それは、プロジェクト自体をもっとソーシャルな目で眺めることです。自分が中にいると、”これは絶対必要”という思い込みが強くなりがちです。(が、これが無いと前に進めません)しかしながら、今回は、”これがそもそも今の日本に必要か”というちょっと評論家的な目線で自問自答し続けました。プロジェクト最中に、東北の震災が起きたことも一因です。今日までの暮らしが一気に失われるのを見て、それでも世に送り出す商品にはそれなりの覚悟がいるな、と余震続く会議室の中で感じました。
このプロジェクトを通じて、私自身は、日本のモノ作りの力、日本の文化の深さを再発見する機会を得ました。改めて、日本のモノ作りにかかわる人たちのこだわりや技術力を知り、誇りに思いました。そしてこういった素晴らしさをもっとわたしたち日本人も知り、そして海外に向けても発信すべき!との思いを新たにしています。
新しいプロジェクトが動き出しているのですが、丁度この思いと合致する方たちとご一緒できそうで、”来てるなあ”と感じる今年の夏。辿り着いた先には次の扉が待っているものです。