”皮膚温めて、しわ予防”という記事が今朝の日経に出ていました。慶応大学がマウスで研究して解明した、今後人への効果を引き続き研究する、ということです。そのメカニズムは、熱のストレスに応じてHSP(ヒートショックプロテインですかね?)というタンパク質が出来ることだと説明されていました。
あらら、今ごろ?との印象もある記事ですが、HSPとしわの関係について、強調されることはあまり無かったので、新しい情報になるのでしょう。 最近では、スパでも”エビデンス”が重視される傾向にあるのですが、こういった研究の成果が発表されることで、手技の一つ一つを確認でき、喜ばしいことです!
美容機器とかクリニックが大流行なのですが、実は私自身にはあまり効果がなくて、むしろ典型的なフェイシャルトリートメントの方が効果を感じるのです。ある分野のドクターに言わせると、”真皮に働きかけていないのはまやかし!”とのことなのですが、そうかなあ?というのが実感。確かにもちの問題はあるものの、しっかりしたサロンケアを続けていると、明らかに皮膚はやわらかくなり、しわも減り、しみも薄くなります。”効果”について美容分野では訴求しにくいのですが、自分自身も、そして周囲の方を見ていても、これは実感します。 短期間に、あれもこれもと乗り換えるより、定期的に決まったサロンでケアを受けている60代、70代の方はとてもお肌が若く、綺麗です。
多くのことをホテルのゲストから学んでいる私ですが、今ほどエステが一般的でなかった時代に、海外でずっと受けていた、というゲストのお肌は明らかに違います。そんな中出てきた(しかも日経に!)この記事。フェイシャルトリートメントのプロセスにおいては、スチーマーで毛穴を開きやすくし、やわらかくなった肌に対してクレンジングや保湿を行います。そしてふき取りの際にはホットタオルを使用。と水分と心地いい温度を保ち続けることがセオリーです。(もう何百年も変わらず)多くの人が”これはいいわ!”と思ったらからこそ変わらず続いている手技なのでしょうが、やはり続くだけの理由があったということですね。
色んな専門家とお仕事する中、ちょっぴり気になるのは、研究者やドクターは”成分”や部分的なエビデンスから入ることが多いということです。よく、食べ物とサプリメントの違いで言われることなのですが、物事にはまだ解明しきれていないことも多く、抽出されていなかった微量元素が実はとても重要な役割をはたしていたり、2つの事象のかかわりだけでなく、いくつかの要素が絡み合って結果につながっていたりと、本当に奥深いものなのです。 お風呂に入ることが単なる心地よさに留まらず、実は人体に多大なる影響がある!とわかったのは、このHSPの原理が発見されてから。香りの領域もまだまだ未知の分野です。ある意味、伝承されていることは、大規模疫学調査とも言えるわけで、スパのトリートメントや民間療法からのヒントはまだまだありそうです。