映画「スティーブ・ジョブズ」を観てきました。
iPodを発表するプレゼンテーションからスタートするこの映画は、ガレージで起業する頃から、アップルコンピューターの立ち上げ、その後会社を追われて、復権するまでを描いています。ちょっと物足りない感じはありましたが、マッキントッシュ2の登場~会社の低迷あたりは、ちょうど社会人初期とリンクしているので、懐かしく見ることができました。
スティーブジョブズは、多くのファンを持つ一方で、”絶対一緒に仕事できない!”という評判もまた高い人でした。アップルジャパンへの転職なんて、一時期”鬼門”と言われたものです。映画は表現なので、どの側面を切り取って見るかで、印象は大きく変わりますが、(そん時代を知っている私でも)見終わった後は、彼の子供のような純粋さが強く心に残りました。
ジョブズが亡くなった後、やっぱりアップル製品は面白くなくなってきました。以前ほどのサプライズは無いし、市場に出てくるときも、前のような盛り上がりには欠けています。マッキントッシュ2の後、ジョブズが居なくなった(追い出された)後のアップルが低迷しまくったように、もしかしてまた、アップルが、輝きを失ってしまうのではないか、とのファンの心配もわかる気がします。彼は人の手柄を取るのがうまいだけ、とかプレゼンが上手なだけ、という評価もありましたが、こうやって死後数年経つと、やっぱりジョブズあってのアップルなんだなあ、と思ってしまいます。iPhoneユーザーとしては、何とか頑張ってほしいです。
映画には、強欲で醜い人たち(取締役会)やまっすぐで純粋なひとたち(プログラマーやデザイナーたち)が登場し、その対比も興味深いものです。そして、顔は出てこないものの”盗っ人!”と名指しされたビル・ゲイツ。ジョブズの犠牲になった人たちは、それなりに描かれていますが、何といってもみっともないのが、スカリーやアメリオといった、雇われ経営者たちとか、裏切ったマネジメントチームたちです。手にした多少の対価と引き換えに、こうやってずっと悪役として名を残してしまうんですねえ・・。
人の生き方とか価値観とか、考えさせられてしまう映画です。
ビル・ゲイツやザッカーバーグがこの後どう歩み、評価され、描かれていくのか、という点にも興味アリです。