リバーリトリート雅楽倶のレストランがリニューアルオープンするということで、富山に行ってきました。もともと、富山との出会いのきっかけになったこのお宿&レストラン、どんな進化を遂げたのか、行く前からワクワクです。
初めてお料理をいただいたとき、あまりのレベルの高さに衝撃を受け、”どうして地方のお宿でここまでのことができるのか!?”と、挨拶に出てこられたシェフに、根掘り葉掘り聞いてしまいました(笑)。そして””あの宿は本当に素晴らしい!”と森市長に熱く感想を語ったことが、今の富山とのご縁につながっています。
今回、お料理をいただいてみて、感動したのが、テーブル全体で”富山”を表現していることです。食材、器、デコレーション、そしてテーブル(家具)まで、富山で作られています。一つ一つに、富山の食の豊かさと、伝統工芸の技、そして現代アートへの取り組みが凝縮されています。ここまでトータルに、しかも高いレベルでプレゼンテーションできるのは、世界的にも例が無いのでは?と思います。食材では、海のもの・山のもの・野のものが揃います。材料そのものだけでなく、日本酒、豆腐、乳製品、米あめまで、まさに日本の熟成・発酵技術のオンパレード。うつわは、陶器・金属・ガラス・石まで揃い、そして和紙も絹も揃っています。
以前の食器も、それはそれは素晴らしいものでした。フレンチやイタリアンのシェフなら、誰もがうらやましがるような海外ブランドの食器のオンパレードでした。その幸せは、誰よりもシェフ自身が理解しておられたと思います。でも、何度目かに伺ったとき、”地元の作家の食器を使えると、もっと素敵よね”と話をすると、”いつかそうなれば、自分の夢です”と答えてくださいました。それがとても印象に残っていたのですが、その夢を、オーナーが後押しされたといことなんだなあ、と感じました。
お料理はどれも素晴らしく、どれを紹介していいか迷うところですが、まさに”富山ならでは”だと感じた一皿は、ノドグロです。ソースとして添えてあるのは、岩瀬の蔵元、満寿泉の吟醸酒の酒粕を使ったもの。上質な麹の甘味がふんわり広がる極上かつ初めての体験でした。あと、印象的だったのは、”山登り”というタイトルがついているデザート。ゴツゴツした触感・ふわふわした触感が、ひんやりしたベースとともに口の中に広がります。立山を連想させる、この手の込んだデザートは、美味しさとともに富山にいる喜びを体感させてくれます。
さて、このレストランのオープンと同時に、和食の”楽味”もリニューアルしました。朝食をいただきましたが、これもまた、驚きの連続で素晴らしかったです。緑を眺め、朝のお風呂に入った後の体に、染み入るような極上の朝食でした。