この頃、学びが楽しいです。
私はもともと、与えられた勉強が嫌いでした。大学受験まで何とか我慢を重ねたものの、高校後半は、心理的には登校拒否状態。大学でも、学ぶ喜びを見出すことはできませんでした。
それが変わったのは、実は社会人になってからです。コンサルティング会社は、確かにプレッシャーがあって、おまけに周囲は優秀な頭脳の持ち主だらけだったので、厳しい環境ではありました。が、ここで初めて、考えること・それを支える学びの大切さや楽しさを知りました。
BCGでは、”曖昧さ”を嫌います。とことん事実を調べ、分析して、そして論理の方向を絞り込んでいきます。プロジェクトのスタートの際には、手当り次第資料を読み込んでいきます。”業界何十年”という人でも、意外と業界データや財務資料、技術開発状況などの多岐に亘る情報をまとめて購入して読む機会はありません。そのため、1週間程度集中的に取り組めば、概要がつかめるようになり、現場経験の長い方と一定の議論ができるようになります。
この方法を繰り返したことは、私にとって大きな財産でした。
どんなプロジェクトであっても、コンセプトを作る際には、徹底的に情報収集をします。文献もあれば、実際に出向いて体験することもありますし、人に会いに行くこともあります。そうやって、仮説を作っては見直し、また作っては見直し、という作業を繰り返し、ようやく方向を見つけます。
ホテルやスパをプロデュースするとき、商品をプロデュースするとき、講演を引き受けるとき、すべて同じです。根っこが同じなので、一見バラバラに見えるプロジェクトも、数年後には、かならずつながります。これは、企業戦略の”ドメインの定義”で学んだことです。
私の学びのゴールは、全て現場にあります。それはスパであったり、ホテルであったり、そして商品であったり。いつもフィードバックをくださるゲストや、それを伝えてくれるスタッフたち。日々たくさんの質問や要望があります。その全てが、私の学びの原点です。
”うまくいかない”と思うことがあると、何がわかれば解決できるのか、その都度ノートに書いておきます。ずっと考え続けているので、その答えにたどり着けそうな人や情報に出会ったときの喜びは、何とも言えないものがあります。
昨年は、アウトプットの多い年だったので、今年は、一定の時間をインプットに充てています。その甲斐あって、多くの答えが見つかりつつあります。本当に学ぶことは楽しく、同じ想いの仲間との出会いはもっと楽しい!