6月1日から衣替え。官庁や学校など、公の施設では、一斉にドレスコードが変わります。
いつもの風景なのですが、今年はとっても意識しました。何故ならば、今年は着物を着ているから(笑)!昨年11月から着物を着始めて、初めての夏。う~む夏はどうするか、お茶のお稽古も夏は洋服にしようかなあ、と思っていた矢先、どうも夏もそれなりにお茶会があるらしい、ということを知り、夏着物を揃えることにしました。
あれこれ読んでわかったことは、着物には夏期に3つの区切りがあるということ。6月の単衣、7月~8月の夏物、9月の単衣。単衣は袷の着物の裏が無いもの、と記してあったのですが、着物屋さんに聞きにいくと、そう簡単ではなく”夏に向かう単衣”(涼しげ)と”秋に向かう単衣”(秋の情緒があるもの)は、素材も柄行きも違う方が良いとのこと、おまけに、お茶をやるなら居敷当て(下半身部分だけ裏を付ける)が必要ですよね~とか言われて、ちんぷんかんぷん。そして絽にも竪絽と絽があって、竪絽は6月から9月までいけるけど、絽は7月~8月まで。
ああ・・・そうなんですかあ(遠い目)。そんな私に追い打ちをかけるように、長じゅばんも絽に変えて、帯もそれに合わせて、と話は続きます。何せ、自分が持っていた”夏にぴったりねえ”と言われて20年近く前に作った紬が、単衣だと気付いたのがつい数週間前で、そういえば”一緒に長じゅばんも作っておきますね”と言われて作ったのは、襟が楊柳とか言う夏向きのものだったことが判明。本当に意味が解ってなかった・・。
それにしても、改めて感じるのは、日本の季節感の細やかさです。素材があって、色があって、質感がある。この複雑怪奇な美意識は日本ならでは。
例えば、この帯
紅葉だけど、秋じゃないのです。色合いと水流を表す図案から”夏もみじ”と解釈され、新緑美しい5月~6月にぴったり。加えて、いくつかのもみじには、ほんのり黄色と朱が挿してあるので、初秋(9月~10月)にも向く帯だそうです。大切なポイントは、”綴れで暑苦しくないけど、透けてないこと”です。
もっと夏が進むと
葡萄模様のこういう帯。ポイントは”透けていること” 夏向きだけど色がやや濃くて、織が詰んでいると、秋はじめでもOK
で、こういう透け感が強くて、色も白っぽいと、まさに盛夏向け。
日本の気候がそれだけ繊細なのか、日本人の美意識故に、この細かさになったのか。奥が深すぎる日本の夏でございます・・。
スパのトリートメントの地域性にも、気候は大きく影響します。アジア系やハワイ系のスパも素敵だけど、この奥が深い日本の気候には、もっともっと細やかな季節対応が必要なのです。かくして、七十二候をせっせと勉強中。