お茶のお稽古&お茶会のために、着物を着るようになって1年半、季節のものが何とか揃ってくると、次に欲しくなるのが帯締めです。しかもできれば、”道明”
着物通の友人に聞いてみると、それはもう別格とのこと、しかも、どうせ買うなら上野の本店がいいわよ、と薦めら、出かけてみました。繁華街(というか夜の街のど真ん中)にあり、”えっここ?””と一瞬驚いてしまうのですが、中に入るともう別世界。日本の伝統色が豊かに広がります。
帯締め本体はもちろんのこと、感動するのはその包装。1本ずつ箱に入っており、それを半紙でくるんであります。私にとって、半紙とは修行の場でしかない地味なものだったのですが、センス良く使うと本当に素敵です・・。
”浮糸”という名のこの帯締めは、迷いに迷う私の様子を見て、お店の方が奥から出してきてくださいました。いい色ですね~と話していると、控えめな声で”美智子様がお使いくださっているようなのです”と一言。これもまた、控えめなことに、”納めました”ということではなく、お写真で拝見した、とのことでした。でも控えめながらも、”色んなお着物に合わせていただいているようで、有難く思っております”との添えの一言も忘れません(笑)
他にも素敵なお品があったのですが、”美智子様”と言われると、もう気持ちはこの”浮糸”一直線。ああ、なんてミーハーなのでしょう・・・。
さて、この帯締めですが、最初の頃は箱のまま取っておいたり、袋に入れてみたりと、色々してみたのですが、いざ使う時に探しにくく、かといってまとめて置いておくと、保管するときに房が乱れてしまったり。悩みの種となり、しまいにはグシャグシャに。考えた末、今は、こんな風に収納しています。
普通のコピー用紙を細めに切っておき、帯締めを仕舞う時に、巻き付けてセロテープで止めます。使用する際は、それを外して、また仕舞うときは新しいものを巻きます。このやり方にしてから、帯との色合わせのときも楽になりました。この箱は帯地が入っていたものですが、もう一つには書類の収納箱を使っています。
少し手間はかかりますが、いつも気分良く着付けできます。こうやって大切に使って収納しようと思ったのは、道明本店に行ったことがきっかけでした。着物通に大人気の道明。さぞかし手広く商売されているかと思いきや、時間をかけて1本1本手作り。糸から作り、全て手締め。お店の方は、全ての商品を熟知されていますし、こちらが探しているものの在庫が無いと(そもそも多く作っていない)、”お時間いただければ締めますよ”と声をかけてくださいます。
大切に生み出されたものは、大切に使わねば!と深く反省し、グシャグシャになっている帯締めが、居心地良く収まる方法を考えました。プロの仕事は、気持ちも生活も豊かにしてくれます。