様々なスパがある中、ホテルスパの醍醐味と言えば、最上級のサービスと、そして”自由自在のカスタマイズ”です。
これは、私自身が、ホテルスパなるものを海外で経験したときの驚きが出発点になっています。エステティックサロンに通っていた頃、サロンは全てメーカー別でした。カリタ、ゲラン、オルラーヌ、タルゴ、ソティス、ラ・プレーリー、クラランスあたりが有名どころでした。薦められるままに、受けていたら、ほぼ全てを制覇し、化粧品もボディ、フェイシャルと全て購入し、使っていました。サロンにとっては、この上ない上顧客だったことと思います(笑)
それぞれの良さは理解しつつも、慣れてくると、決まっている手技に物足りなさを覚えるようになりました。同じものだと飽きてきますし、マッサージの手技の良しあしもあり、複数のサロンに通っていましたが、これがとても面倒で、何とかならないかなあ、と思っていました。
その”何とか”を海外で発見!まず、ボディマッサージの種類が豊富で、かつ身体の状況に合わせて変えてくれる。部分的に効果的なメーカー粧材を入れてくれる。ある日はアロママッサージ、顔が疲れている日は、ラ・プレーリーのフェイシャルを提案してくれて、いつもピカピカゴキゲン。
ホテルスパが日本に入ってきた頃、ブランド化粧品は、スパのコンセプトに合わせて、運営側が選ぶものでした。ゲストニーズに合わせて選択し、編集し、トレーニングすることは、とても大変な作業ですが、それはホテルスパとして必要な業務です。ゲストに提供したい価値をネーミングにし、化粧品メーカーの名前は出さないというのが、暗黙の了解でした。
が、それがあまりに大変だったせいか、最近では、メーカー名を掲げるテナント系が出てきました。昔に戻った感じです。メーカーが運営している例も多いのですが、それぞれに得意・不得意があるのは避けられず、フェイシャル系のメーカーはボディマッサージが苦手だし、アロマ系はフェイシャルが苦手です。
様々なメーカーさんとお付き合いがありますが、それぞれの得意分野を考えると、”いいとこ取り”し、スパとしてベストだと思うものを、ゲストに薦めたいな、と思うのです。
それは、日本の手技も、日本の原材料も同じことで、”日本の”を推し進めたいわけではなく、良いものを提供したいだけなのです。内容は素晴らしいのに、ちょっと味気ない指圧も、香りやスクラブと組み合わせると素敵ですし、和素材は、”日本””和”と殊更に協調しなくても、効果効能に優れたものがたくさんあります。加工の技術も十分あります。
メーカーサロンじゃなくて、ホテルスパに行ったのになあ、もっとカスタマイズしてほしい~、とちょっと寂しい気分になったので、改めて”スパ好きのための自由自在”への想いを新たにしました。