週末、初風炉のお茶事でした。
30度を超える猛暑日で、心配していたものの、無事楽しく終了。先生のお稽古場のお庭の新緑が美しく、水を打ったあとは涼やかなほど。赤坂の真ん中で、こういったお茶事が出来ることに、心から感謝しています。
お茶事の写真を撮るのは、行儀のよいことではないのですが、先生の設えが素敵だったので、お片付けの前にパチリ。
年に数回行われる社中のお茶事は、茶懐石~濃茶~薄茶と正式な手順に沿って進められます。加えて言えば、お道具や懐石料理の準備も同様です。前日朝、築地の買い出しから始まるこの準備、最初に参加した時には、ここまでやるのかと正直びっくりしました。
今のマンションと違い、古い日本家屋の掃除は手がかかりますし、庭のつくばいをタワシで磨くことや、庭掃除をした後に水を打つ際に、水が多すぎるとふき取りが必要だし、早く打ち過ぎて(かつ天気が良すぎて)乾いてしまったら、絶妙なタイミングでまたこっそり打たなくてはなりません。無精者の私にとっては、”え~いいじゃん”と思うこと満載です。不慣れなことは体にダメ―ジになるので、1回目―2回目のお茶事の後は、ほぼ寝たきり状態(笑)
これはお料理も同様で、正直言って最初は、”えっ、仕出しじゃないんだ”ととっても驚きました。知人のところの茶事は、お料理屋さんに頼んでいましたし、神楽坂には、茶事専門の料理屋さんも数軒あります。献立は先生が作ってくださるので、ご指示通りに調理をしていくのですが、慣れないことはこれまた大変の連続です。これも手づくりできるものなんだ・・と知ることが多くありました。
お道具は、漆器から作家物の器まで、”取り扱い注意”が次々に登場します。先輩たちは、由来を熱心に聞いておられるのですが、絶対に粗相はできない!と緊張している私は、それどころではありません。こわごわ・・・こわごわ・・。
そんな緊張続きのお茶事なのですが、わからないなりに、何度か参加していると少しずつ理解できるようになってきました。簡単でない掃除、買い出しから始まる料理のプロセスを経験していると、自分がお客役になったとき、その静かな空間や、一杯の椀物に、相手の手間と心遣いを感じて、感謝の気持ちでいっぱいになります。お道具も同様です。季節を感じられるように、その茶事を楽しめるようにと用意された茶碗や棗、茶入れなどは、準備への手間も含めて拝見できるようになります。
さて、まだまだ初心者の私。掃除は少し慣れてきましたが、茶事の流れを理解するにはまだまだこれから。今回の学びは、”煙草とお酒”
お茶事には、煙草盆とお酒が登場します。受動喫煙が問題になっている今、狭い空間で煙草を吸うように勧めたら大問題!お酒を勧めあうのですが、お酒を飲まない人が増えている今、これも??と、個人的にはう~むこれは時代に合わない、と思っているシーンですが、昔はこれがハイライトだったそうです。懐石→濃茶(ここまではやや緊張感あり)→座布団、煙草盆、お酒(くつろぎタイム)→お薄。お酒の時間は確かにちょっと長め。
さて、今回の学びがなぜあったかと言うと。”まったく覚えていなかったから”です。何度か参加しているのですが、やっぱり受け身じゃダメだなあ~と痛感。次回に向けて復習します!