文楽通の友人に誘ってもらい、「生写朝顔話」を観てきました。とても面白く評判の良い舞台。
とってもわかりやすいブログがあったので、ご紹介します。
http://blog.goo.ne.jp/harunakamura/e/00d15289b90e106299edec71cb8d7acb
すれ違いの連続からくる悲恋もので、今なら韓流ドラマ風。男性側が一歩踏み出せばハッピーエンドになる筋書きなので、”男はどうした!?”一緒に行った友人とやきもきしてしまったのですが、まあそこはドラマですから。
展開が早く、笑ったり泣いたりが繰り返しやってくるのですが、文楽の”泣き”は、本当に凄い。何が凄いかと言えば、この演出は三味線の音色と太夫の声だけで繰り広げらるからなのです。男の声色、女の声色が自由自在。加えて今回の感動は、三味線。ピンとただ1回弦をはじくだけで、”むむっ”と思う三味線の音がありました。”すごいね~”とつぶやいたら、イヤホン解説を聞いていた友達が”人間国宝だよ!”と一言。小柄なおじいちゃんで、背中もちょっぴり曲がっている人、”大丈夫かな‥”と思って見ていると、まさに弦が”泣く”!
繰り広げられる人形の扱いも素晴らしいのですが、今回は、舞台右側の席だったこともあり、三味線の音が特に印象に残りました。
私はただ連れてきてもらうだけの初心者なので、文楽は全く詳しくないです。そんな私でも、この舞台の迫力はよくわかりました。生きているように人形を操れるのはどれだけかかるんだろう?この声色が出せるには?そして、この三味線は?と道一筋の成せる技に大感動した日でした。
この舞台、満席かつチケットは完売とのことです。立ち見も随分出ていました。
情報が溢れる今、どんな道を選ぶことも、道を変えることも自由です。
でも、道一筋に極めていくと、人はここまで成し得るものなのだ、そして、それを受け止める人もこれだけいるのだ、と感じました。