ALL THAT SPAは、もともと、プロジェクトとして誕生した名前です。スパの運営を開始してから、セラピスト目線で、”欲しい”と思うものを作り始めたのがきっかけでした。小ロットの業務用からスタートしたので、ブランド名を付ける必要も無かったのですが、客室に採用されたことをきっかけに、名前を付けました。そんな感じだったので、最初のロゴは、私がパワーポイントで作ったものです。
スパの運営をしていると、様々な企画を立てる機会に恵まれます。もちろん、海外ブランドを新規導入する!というのもの、心躍ることなのですが、素晴らしい素材に出会い、オリジナルの手技を作ることは、何より楽しいひとときです。
日本のスパは世界的に見ても独特です。高度な接客を求められることはもちろんですが、シーズナリティや素材へのこだわりを、ここまで求める国はありません。その結果、数々のプロモーションへのニーズが生まれ、絶えずトリートメントや素材に向き合うことが求められます。スパ好きは世界中どこまでも出かけます。パリやNYのサロンを経験した方がおっしゃる言葉は、”大したことなかった、日本の方がいい”という一言です。スパ好き顧客は、リゾートもシティスパもサロンスパも、メディカルスパも体験した後、今求めるものは、目新しさではなく、納得性にあると感じています。
物販の店舗と異なり、スパは接客の場です。ゲストは、セラピストにプロとしての技術を知識を期待なさっています。ひとたび信頼できると思われたら、セラピストに多くの質問をなさいます。”どうしてこの商品や素材を使っているか?””セラピスト自身が心から勧められるか?”の答えに自信を持てなければ、そのスパそのものを信頼していただけません。
こういったプロセスを経る中、セラピストの自信という点で、国産の原材料に興味を持つようになりました。ALL THAT SPAが、国内製造から始まり、国産の原材料に徐々にシフトしていっているのは、作り手との繋がりを強めていった結果です。
店舗としてのALL THAT SPAは、同様の考え方でモノ作りや情報提供を行う海外ブランドも導入しています。研究、製造、安全性チェック、環境保全の点で、真摯に取り組んでおられ、学ぶところも多いブランドです。
一つ一つ、じっくりと学びを重ねる中、この春には、新しいオイルを使ったトリートメントを始めます。ALL THAT SPAの製品に使用されている原材料の一つを取り出して、その素晴らしさを伝える展開です。これは、単に”国産である”こだわりではなく、本当の意味で、世界的に見ても素晴らしいレベルだと思い、トリートメントを作ってみることにしました。
試作品を使って、何度か試しているのですが、オイルを手にとった瞬間、セラピストは満面の笑顔になります。トリートメントが終わると、オイルのパワーが、まずはセラピストの手を幸せにしているようです。セラピスト目線の”欲しい”が、ようやく達成できたのかなあ、と思う日でした。
このトリートメントは、4月から開始する予定です。なぜこのオイルを使いたいと思ったのか、また折々にお伝えしたいと思います。