7月に、World Luxury SPA Awardの授賞式出席のため、アイルランドに行きました。アイルランド=テロの印象が強く、え~、なんでそんなところで・・と恐々出かけたのですが、セレモニーが開催されたホテルも、アイルランドの首都ダブリンも、穏やかで品のある素敵なところでした。
ダブリンで滞在したホテルは、街で一番歴史のある、クラシックホテルでしたが、中はきちんとリノベーションされており、歴史の持つ重厚感と、快適性がある素敵なお宿でした。
全て生花。数時間に1回メンテナンスがあり、花粉も枯れた花もないという徹底ぶり。
客室に入ってみて感心したのが、このセッティング。黒い大理石はよく磨かれており、シルバートレーには手あか一つありません。
等間隔でびしっと!こちらも埃ひとつありません。
ELEMISって、こういうブランドだったんだなあ、と初めて実感しました。
これはもしかして、スパも・・と思って行ってみたところ、やっぱりELEMISでした。きちんとプレゼンテーションされていて、スタッフも親切でした。客室とスパを、こういうパッケージで見せられると、印象は随分変わります。
海外のホテルでは、アメニティはとても重要です。スパリゾート系は、ほとんどがオリジナルを作って客室に入れます。スパがあり、それを売りにしているホテルは、スパブランド名が付いたアメニティを客室に入れ、そのコンセプトとスパトリートメントが書かれたコンセプトシートをベッドサイドに置いてあります。
日本の場合、スパと客室部門、購買部門がバラバラで、かつ、アメニティは、最期に”まあいいや”で決めることが多いのが実情です。適当に変えよう~とアメニティ屋さんが提案する”これが流行ってます”に切り替えるところも目立ちます。某アメニティ屋さんによると、ほとんどの場合、コストと”**ホテルで使っていただいています”で決めるそうです。
そうすると、アメニティブランドのブームが起きます。ざっと振り返ると、資生堂の丸っこいもの→ロクシタン→フェラガモやエルメス→ブルガリ→アロマテラピーアソシエイツ という感じでしょうか。もう物が無い・・とタンを入れているところもありますが、香りが個性的すぎて難しいようです。(私もちょっと苦手)ホテルオタクの私としては、BCG~コカ・コーラ勤務時代に、全て箱に入れて保管していた時期があり、マッピングまでしていました。100セットはあったと思います。好きなセットはなかなか使えず、不覚にも使ってしまった後は、また泊まりに行ってセットごと持って帰るということまで。
宿泊特化型のところやビジネスホテルで女性向けをアピールしているところは、ポーラのアロマエスのポンプタイプ。コスパ抜群のブランドですが、”シティホテルやリゾートホテルであれを見るとがっかりする”という女性陣の声が高まっている事実にも注意が必要です。
そんな中、久々の感動がこのホテルで見たELEMISのプレゼンテーション!ちなみに、スパは、宿泊客と言うより、地元マダムで賑わっていて、日常的にホテルスパを楽しんでいる、という温かい雰囲気でした。レストランやカフェも、どちらかと言えば、地元の方が多いようで、アフタヌーンティーも、バーも落ち着いた雰囲気が印象に残りました。お料理のレベルも、スタッフの接客もとても良かったです。アメニティのようなディテールに気を遣うホテルは、総合力が高いことを実感しました。
本当に小さなアイテムですが、これだけでホテルを語る力があるもの、それがアメニティだと思うのです。