とても好きなエッセイが、映画化されます。
武士の世でもなく、行儀見習いでもなく、働く女性がお茶をやるって、こういう事だよね、と大共感した本。私の中では、それが、働く女性が、スパに来ることに重なる気がしています。
ざわざわする気持ちの日があり、何となく悲しかったり、自分が嫌になったりする日、人は無意識に、気持ちが落ち着く場所を求めるのだと思います。私にとっては、素敵な空間と笑顔のセラピストがいるスパであったり、どこかの静かなお庭だったり、美術館だったり、そして茶室だったりします。まだまだ失敗続きのお茶のお稽古ですが、釜から上がる湯気や抹茶は、不思議なほどに気持ちをすっきりさせてくれます。
この本の中では、ゆるやかに自然体で導いてくれる先生として、「武田のおばさん」が登場します。そして、悩みを抱えつつも前に進む主人公は、このエッセイの作者。映画化されると聞き、どんな配役かなあ、と思っていたら、このお二人でした。とっても嬉しい!対談もしっかり読みました。
対談の中で、黒木華さんが、しきりに樹木希林さんのことを”かっこいい”と表現しておられますが、対談のコメントからも、そしてこの写真からも、時を重ねた”かっこよさ”を感じます。試写会の舞台挨拶に登場されるのを楽しみにしていましたが、その前に骨折・入院され、それは叶わぬこととなりました。
心からご冥福をお祈りします。