人は誰しも、思い込みや常識をもっています。森発言をきっかけに、いくつかのclubhouseに参加しましたが、その中で、頻繁に”unconscious bias"という言葉を耳にしました。今回、確かに女性差別の発言が問題になったけれど、”森やめろ”と抗議している人だって、他のことで何かを差別しているかもしれない、との発言でした。
気づいたら声を上げる、気づいたら注意しあう(良い形で)が、大切なんだと思います。そして、公での発言の機会が多い人は、そもそも問題発言をしないように、話し方を身に着けることが必要です。それを窮屈だと言っている方は、発言するポジションに就かない方が無難でしょう。
ある程度は、意識・制度・トレーニングで型を作ることができます。少なくとも、グローバル企業では、マネジメントポジションに就く段階で、かなり長いトレーニングを受けることがマストです。感情的に暴言を吐かない、暴力を振るわない、法令順守、それに差別発言をしない、などです。どれほど成果を上げた人であっても、これらの行為を行った場合、即刻解雇です。ある意味、性悪説に基づいて、組織としての体制を整えているのだと感じました。広報トレーニングも同様です。発言内容、服装、話し方、すべてに専門家がついて、徹底した特訓が行われます。日本のPR会社でも、このトレーニングプログラムを持っているところはありますが、まだ広く普及するところまではいっていません。
私も、マネジャーポジションの段階、マネジメントポジションの段階、それに上場に向けてのロードショートレーニングの段階で、それぞれ異なるプログラムを受講した(させらた)ことがあります。どれもグローバル企業での必須研修でした。都度、自分自身も、いかに思い込みが強いかを実感しました。特に、Q&Aのトレーニングはかなり苦痛でした。が、そういう外部からの気づきに、耳を傾けることがいかに大切か痛感するトレーニングではありました。また受けたいか?と言われれば、返事に困りますけど(笑)
誰にでも、無意識の差別意識はあります。森さんを見ていると、それが見直されずに、年を重ねると、ああなっちゃうんだなあ、と思いました。公人としても私人としても残念なことです。
問題発言については、それを聞いてしまった側の対応がその後を決めます。聞いても声を上げなければ、それに同意したことになってしまう。いじめを見て見ぬふりをするように。
これは、日本の問題です。
女性たちは、”自分たちはこの発言を受け入れらない”と声をあげ、男性たちは”自分たちは、賛同できない”ともっと声を上げないと、日本社会では、これが当たり前で許容されている、と受け止められてしまいます。
気づきも問題も、より良い社会を作るためにある。
まさに”災い転じて福となす”
声を上げ、声をひろい、より良い方向に進んでほしい。そうして乗り越えていけば、オリンピック開催の機運が高まると思います。