現在書店に並んでいる、婦人画報8月号の「東京のホテルでデイスパリトリート」に、ガラントリーが掲載されています。
コロナ禍ならではのメニュー、という特集の趣旨だったので、まさに、昨年のコロナ禍真っただ中に作った、Harmonieの香りで構成されている、瀬戸内シトラスハーモニーをご紹介しました。撮影当日は、私もお手伝いで昭島に行きましたが、カメラマンの方が、”ネロリの特集の際、水俣に撮影に行ったんです”と話してくださり、とても感激しました。婦人画報さんは、丁寧に取材先を選定されますし、取材も撮影も必ず現地。こうやって、ご縁が繋がるのはとても嬉しいことです。
嬉しいことがもう一つ。
この号のメイン特集は、「この夏、日本の宿へ」です。
掲載されているお宿は、どこも素晴らしく、この号をバイブルに、全部行ってみたいと思わせる宿ばかり。ゼッカさんが手がけた瀬戸内のお宿、Azumi Setodaを、アレックス・カーさんが訪ね、それをせきねきょうこさんが文章にする、という最高の内容。ちょうどこの取材の時期は、レモンの花が満開だったようで、同行した編集者の方が、”レモンの花があんなに香るとは思わなかった!”と感激しておられました。イタリアとはまた違う日本のレモンの香り、こういうお宿が出来て、記事が掲載されて、日本のお宝が評価されるんだと思います。
そして、今、私の推し宿である、「Bed & Craft」が、6Pにわたって紹介されていました。1年越しなので、これは本当に嬉しい。富山の井波にあるのですが、ここはモノ作りや観光に興味のある方には、是非一度訪れて欲しい。私自身、前回駆け足だったので、数日じっくり滞在したいと思っている場所です。
このところ、インバウンド富裕層向けマーケティング、ラグジュアリートラベルといった案件のご相談が増えていて、プロジェクトも動き出しているのですが、私が感じるのは、何事もまず、”相手を理解するところから始まる”ということです。
ゼッカさんは、もともと豊かな家柄の出身で、お手伝いさんが何十人もいる幼少期を過ごされています。ジェットセッターと呼ばれる人たちが、リゾートに求めるものが何か理解した上で、作ったのがアマン。そして、日本にある宝が、地方の歴史を積み重ねたコミュニティにあると感じて作ったのが、ここ。すでにいくつかのプロジェクトが動き出していると聞いています。
井波のプロジェクトは、中国で富裕層の邸宅を手掛けていた日本の建築家が帰国して、よそ者の目で見た宝を形にしたものです。富山市街からも便利とは言い難いこの場所に、世界中から長期滞在者が訪ねてきています。コロナ禍で一時的には途絶えましたが、この後は、一層大人気になると思います。井波の彫刻は、前田利家がこの地を治める際、寺の改修のために、京都から一流の欄間職人を連れてきたのが発祥とされています。抵抗勢力であった浄土真宗の一派に対する和解策だったそうです。文化は、争いや暴力を鎮め、人に和の気持ちをもたらす力があります。
足元の宝を見つめ、まずは心の再生を。
それだけのものが、日本にはあると感じさせてくれる、今回の婦人画報です。