このところ、茶事に行く機会が増えたので、新しい教本を購入しました。カラーで詳しくて、とってもわかりやすい。これなら前の教本はもういいかな、と思いつつ、読み返していたら面白いことに気づきました。
これが今回購入した教本
これが以前の教本
時代を感じる・・・。写真がカラーvsモノクロ、表現がわかりやすいvsわかりにくい、という違いもあるのですが、注目すべきは登場人物。新しい教本は、3名中2名が女性なのに対し、古い教本は、3名全員が男性!もともと、茶道は男性のものだったので、当然といえば当然ですが、昭和の時代でもまだまだ男性のものだったんだなあ、と感じます。今や大寄せの茶会なんて、女性比率は限りなく100%に近いのですが。
さて、茶事と茶会、この2つかなり中身が異なります。人が集まって抹茶を飲む、これは茶会。どんなご馳走が出ても、それは茶会。茶事というのは、まずお客様を決めて、そのお客様に喜んでいただけるテーマを決め、同席していただくほかのお客様を決め、そしてしつらえ、お料理、お菓子、などなど詳細を決めていきます。ある意味、オーダーメードのパーティのようなもの。まさに、もてなしの究極。
先日、”夕ざりの茶事”にお招きいただき出かけて参りました。昼から夕暮れの日の陰りを愛でるものなのですが、これが本当に素晴らしかった!庭のしつらえや灯り(オーダーなさったそうです)の加減が絶妙で、帰路につく夜には、灯篭が道しるべになるという徹底ぶり。茶事があった栃木の下野は、もともと干瓢の名産地だそうで、夕顔を床の花のメインに据えたあたりも素敵でした。そして、このお席、大徳寺真珠庵のご住職をお迎えするお席だったので、床のお軸は一休宗純のもの(本物)!ご住職ご自身も、”いやあ、あるところにはあるんですねえ。”と感心しておられました。私は、この真珠庵での茶会にお邪魔したことがご縁で、近くのお席に座らせていただく運びとなり、至福の時を過ごすことができました。ここでしか伺えないお話もたくさんあり、本当に幸運でした。
そもそも、お茶を始めたのは、足を踏み入れないと知ることが出来ない世界がある、と感じたことがきっかけでした。50歳の誕生日を迎えたとき、ああ、もうこれが最後のチャンスではないか、とふと思ったのです。
そういう意味では、茶事に招かれる、茶事で人を招く、できればスムーズに。と思ってスタートしたお茶のお稽古でしたが、5年を経ても、茶事に出る自信が付かなかったので、やり方を改善すべきだと思うようになりました。茶事稽古をする社中ではありましたが、何度やっても流れが理解できません。茶事稽古の前後に教本に目を通すのですが、う~ん???という感じで却って悩んでしまいました。教本読んでるんだけどなあ、と思っていたのですが、新しい教本、まさに目から鱗!
お料理も少しずつ。
茶懐石の本は、白黒全集ものとか、書店には色々あり、これまた色々買ってみたのですが、わかりやすかったのはこれ。実は普段作っている家庭の和食でも、ちょこっと形を変えれば十分懐石料理になることを発見。おせち料理ほど大変でもなく、ちょっと多めの夕食、という感じです。
自分に合ったものを見つけるって大事!