昨日9月1日は、(株)ウェルネス・アリーナを立ち上げた日です。2006年9月1日に登記をし、その日から活動が始まりました。早いもので、16年が過ぎ、17年目に入ります。
すでに設立当時のことを話す機会もほとんど無くなってしまったので、書いてみたいと思います。
2006年の春に、宮崎のシーガイアでの再建業務が一段落し、東京に戻った私は、スパセラピストがもっと活躍できる場を作りたいと考えるようになりました。シーガイアに、日本初となるバンヤンツリーを誘致したものの、他の業務との兼ね合いで、どっぷり浸かることを“厳禁”され(笑)、横目で見つつスパへの想いが高まっていました。スパアカデミーのことや、タイでは高学歴のセラピストが海外でも指導者として活躍していることなどを教えてもらい、日本より随分進んでいると感じたことも影響しています。
この時期、東京ではマンダリンやペニンシュラの開業プロジェクトが進んでおり、日本人セラピストの採用や研修について、多くの方から相談を受けていました。アロマテラピーの資格取得者が増えていた時代でもあり、ある方から”アカデミーを作りたいので応援して欲しい”と打診がありました。セラピストの役に立つだろうと考えたことと、大変熱心な働きかけでもあったため、ノウハウや資金面での応援を決め、開始に向け準備する夏になりました。が、これがなかなかうまく進まず、結局この後始末を引き受ける形で、私が代表になり会社組織を立ち上げることになりました。その設立日が9月1日です。そういう意味で、若手ベンチャーの会社のように、仲間で楽しくワイワイ!という雰囲気ではなく、責任感いっぱいでやや硬めに立ち上げたスタートだったと思います。
その後、ご縁あっていくつものホテルスパを立ち上げたり、運営をしたりして現在に至ります。営業活動皆無の会社ですので、ご縁はすべてご紹介での広がりです。本当に有難いことです。
当社のご縁は、運営中のスパの実績によるものですので、それはイコール、セラピストたちの頑張りそのものです。施術や接客が良かった、というお客様からのお声もあれば、スタッフの誰もが人柄がよく誠実であるとのホテルからのお声もあります。
当社の社名である”ウェルネス・アリーナ”は、スパというプラットフォームに、様々な専門性のある人に集まって欲しいとの考えで付けました。ウェルネス、という言葉自体、定義が曖昧で広く、まだ世間で認知されている言葉では無かったので、私自身のコンセプトも、それほど明確なものではありませんでした。ただ、16年たち、それは少しずつ具体的になってきているように思います。
色々模索する中で、人の手に勝るものはなく、また自然の力に勝るものはない、と感じます。そして、日本の豊かさも実感します。日本の風土で生まれた自然の恵みを、作り手の手、セラピストの手を通して、多くの人に伝えることが、この会社のミッションなんだと思います。
全国各地の情熱ある作り手と、志のあるセラピストに支えられて、9月1日を迎えられたことは、本当に幸せです。
新たなご縁に恵まれて、もう一歩踏み出す17年目のスタートになりました。稲盛さんも大切にされていたという言葉、「敬天愛人」を胸に、楽しいことを形にしていく1年にしたいと思います。