ときどき、仕事そのものに関するアドバイスを求められることがあります。私自身もまだ試行錯誤の最中なので、実体験での話ぐらいしかできませんが、まるで”クレド”のように大切にしていることがあるので、ちょっとご紹介したいと思います。
私が仕事に就いたのは、雇用機会均等法施行の翌年のことでした。銀行や証券会社は、大卒女性を”総合職”と称して、大量採用しました。好景気なことも手伝って、多くの女性たちが”プロフェッショナル”として歩み始めた頃です。
その一方で、女性のキャリアパスや教育方法はまだ手付かずの分野でしたので、受け入れる方もかなり戸惑いがあったことと思います。私の場合は、”心得”として、3つのことを言われました。1.群れない2.噂話に興じない3.泣かない、の3つです。そもそも慣れなくて扱いにくいんだから、”あ~やっぱり女のコだねえ”と思われた瞬間に、誰も君を同格には思わなくなる、まずは話しかけやすい雰囲気を作りなさい、と初日に言われました。
この3つが守れず、”扱いにくい奴”だと評価された時点で辞めてもらうから、とはっきり言われ、う~本気かなあ、しょっぱなからこれかあ・・とユーウツになったものです。その割には毎日元気いっぱいだった、と元同僚や上司からは言われていましたが、一応この教えを心に秘め、日々を過ごしておりました。
その後いくつかの会社を経ましたが、これまで、”女性だから不利だった”と感じたことはほとんどありません。性別よりは、自分自身の仕事の質の問題でかなり深刻な状況になったことはありますが、さほどの女扱いされることもなく、女だから不利なこともなく、女を使うこともなく(使えず?)トコトコ前進し、現在に至っています。
仕事を通じて、素敵な先輩方に出会う機会が多く、おしゃべり、お食事などご一緒させていただく機会もあるのですが、そういう方たちの共通点は、ほがらかで世話好きなことだと感じています。会社の立ち上げ、スパの立ち上げ、いつも多くのエネルギーや応援をいただいています。
で、ふと思うのが、彼らが”群れてる、噂話をしている”(いや、いい話なら楽しくていいと思うんですけどね)というネガティブなことをしている状況を全く想像できないことです。自分のことはわからなくとも、人のことは本当によく見えるもので、明るく、暖かく、前向きなエネルギーを感じると、嬉しくなってしまうと同時に、自分もこうでなきゃ!という思いを新たにしたりします。
こう言っては何ですが、男の人は50過ぎたあたりから、だんだん枯れていってしまう印象があるのですが、女性は違います。世のため、人のため、ご近所のため、ポジティブパワー炸裂です。年を取るほど元気になっていってるんじゃないか!?と思える人も珍しくありません。
私が仕事人として受けたアドバイスは、仕事に限らず、きっと人生楽しく過ごしていくためにとても大切なことだったような気がします。ノウハウ的なことより、ずっと意味のある心得だと感じています。