東日本大震災は、多くの点で日本を変え、これからも変える出来事となりました。それは財政・地域の仕組み・産業・教育と多岐にわたり、今の時点では想像もつかないほどの広がりになる可能性があります。
実際に地域で活動している人の話を聞く中、良く出てくるキーワードが”地域のリーダー”という言葉です。それは自治体の長であることもあるし、既存団体の長、そして地元NPOなど新しくできた団体の若手リーダーなどです。テレビなどで見ていると、東北一律のような印象を受けるのですが、すでに地域間で復興度合いおよびビジョンに差がついてきているということでした。国も様々な団体も支援したいと思っている、しかし、その受け皿の有無で実行力に差がつく現実。法的な問題だけでも金銭の問題だけでもない、まさに”人の力”が如実に出てきていると異口同音に語ります。
東北内で起きていることとは別に、それ以外の地域でも、随分違いを感じることがあります。現実問題として、東北で被災した企業をどこかで受け入れる必要があり、今はそれが海外に行ってしまうのか、国内での移転になるのかまった無しの状況です。九州や北海道も含めた全国で企業を誘致する動きが起きていますが、それにもかなりの優劣が。すでに多くの優良企業誘致に成功している自治体もあれば、霞が関あたりをうろうろしたり、新聞広告を出すだけで、何の成果も上がらない自治体もあります。(費用は随分かかるんですけどね)
国の借金・大震災復興にかかる費用・増税の難しさ、と国難が報道されても、地方自治体で鈍いところがあるんですよね~とはあるお役人の弁。これまでと同様の予算を組み、場合によってはもっと補助金が欲しがり、何のリストラも自立もない、この人たちは新聞を読んでいるのかと首をかしげたくなります・・。
優秀な自治体の長は、外部から識者を招き、インフラを整備し、企業誘致し、就職率を上げ、生活保護の受給率を下げ、と明確なビジョンがあります。実はこういう自治体には、国も様々な形で支援しています。モデルケースになりますから。その一方で、識者が手助けをしても、何の反応もせず、”もう二度と行かない!”と不評を買ってしまったところもあります。こうなってくると益々差がついていくんだろうなあ、と感じる今日この頃。どれほど情報化が進んでも、それを生かすも殺すも結局は”人”なんですね。