東洋経済新報社から、”BCG流プロフェッショナルの仕事力”が出版されました。BCG50周年の記念プロジェクトの一環とのことです。内容はMindset,Thinkng, Skillsの3つで構成されています。BCGの戦略コンセプトや歴史などがわかりやすく解説してあります。コンサルティングファームに興味がある方だけでなく、ビジネスマンに広く読んでいただきたい本です。
BCGでは、退社する人のことを”卒業生”と呼びます。BCGの卒業生は、今や企業トップにも多く名を連ね、事業再生、起業家、NPOやNGOの代表など本当に多くの領域で活動しています。私がBCGの会社説明会に参加したとき(経団連会館でした)学生の多くは、”その後のキャリアについて”質問していました。その当時、米国での事例をもとに説明された記憶があり、一部の参加者からは”日本では難しいのかも”といった声も上がったものでした。が、それから20余年、今、そういった質問すら無意味に思えるほど、卒業生の活躍には目をみはるものがあります。
さて、そんなBCGですが、どんな教育をするかというと、実は”放置”です。さすがに最近では、ある程度プログラムが出来てきたようなのですが、私が所属していた時代は、Up or Outが徹底していたようで、ぼんやりしていると、それで終わってしまう、という緊張感に満ちた組織でした。その中でも特にオロオロしていた私ですが、幸い同期や先輩に、学ぶことをリードしてくれる人がいて、その恩恵にあずかり、勉強会の隅っこで必死にメモを取っていました。
その頃にリードしてくれた人たちは、その後多くの経済書を出版したり、教鞭を取ったりと、独自に道を切り開いています。たくさんのことを教えてくれたBCGですが、私が最も影響を受けたのは、”自分で考え、自分で道を決める”ということだったのかもしれません。
犬養道子さんの本に感銘を受けてきた私は、”思いを形にできる技”をどうすれば身につけることができるのか、答えを見出せないまま大学に入りました。それは所詮夢で終わるのか、と思っていたときに出会ったのが、BCGでした。道が引かれた中で答えを見つける経験を日本コカ・コーラで積み、答えの手直しをする経験をウィンザーホテル洞爺とフェニックス・シーガイア・リゾートの再生で積み、そして今、全く白紙の状態に、絵を描く経験を積んでいます。
BCGで学ぶ経験を詰めなければ、見えない道を決めていくことはできなかったと思います。はっきり言って(自覚はしてます)スタンダードに達していなかった私を採用し、8年もの間様々な機会を与えてくれたBCGには、感謝の言葉しかありません。