何とターザンが”生活習慣病”の特集をしています。どちらかと言うと、”マッチョな体を作る、痩せる、腹を凹ませる”といった、フィットネス系コンテンツが多い雑誌だと思っていたので、思わず手に取り購入しました。
それだけ、若い層にも生活習慣病への不安が広がっているんだな、と感じます。
実は私の周りでは、痛風患者が多くて、食事会のお店選択に苦労します・・。(全て男性)メタボだよ、糖尿病の懸念があるって言われたんだけど、と乾杯の直後に相談されることも少なくなく、ええっまだ若いのにねえ・・と心配してしまうこともしばしば。(ちなみに、若いのに髪の薄い人も多いです。これも一つの生活習慣病です。)
若いときの病気はもちろんなのですが、今、生活習慣病がこんなに話題になっているのは、”寝たきり”からくる医療費の増大が、深刻化しつつあることと無縁ではありません。
医療の進化によって、平均寿命は延びたものの、健康寿命との差が大きくなってきており、何等かの病気を抱えて生きる期間が、男性で9.13年、女性はなんと12.68年もあります。なかなか、”思いきり生きて、ぽっくり逝きたい”というわけにはいかないようです。おひとり様が増える中、そしてそもそも少子化で若い世代が先細る中、この10年余(ヘタすると寝たきり)誰が面倒みてくれるの?という不安が見える化してきた、ということでしょう。
この号を読んでみると、スパのワークショップで長年言われていることがほとんどでした。ようやく、こういった考え方が市民権を得てきたんだなあ、と思います。米国で、スパの考え方が整理され始めたのが、1990年代の初めなので、20年以上経っています。その間に、多くの研究も進みました。これによって”・・・と言われています”という表現にとどまっていたものが、”・・です。”と結論づけた語尾に変わってきています。特に、分析の精度が上がったことで、物質と作用の関係が明確ってきた部分が増えました。科学的に立証されることで、自信を持ってプログラムを作れるようになります。
これだけ科学的解明が進んでいることを思うと、学校教育の場でももっと取りいれればいいのに。日本では、TVでの健康特集や雑誌での極端なブームの煽りが見られる一方で、明確なガイドラインが出ることがありません。既に海外で禁止されているトランス脂肪酸を含む商品がまだ多く売られていたり、甘味料も危険度が高いものが、店頭に山積みにされています。特にトランス脂肪酸は、あまりにも使用している範囲が広いので、ひとたび禁止すると大混乱になって倒産する会社が出るためだ、という意見も聞かれますが、もし本当だとすると大問題です。
ネットの普及や移動手段の変化で、体の使い方が変わってきていますし、深夜帯に生活する人も増えています。全てがダメだと制限するのではなく、基本を理解した上で、調整することを覚えることが、現実的には必要なのではないかと思います。
便利さは多忙さやストレスにつながります。日常生活で負荷をかける分、体をうまくリセットさせることが、一層大切になっていますし、それだけスパ的な生活の重要性も増しているのだと考えています。
栄養学や生理学を勉強していると、人間の体って良くできている!と感動するとともに、生命体として変わらない部分を再認識します。その変わらない部分を知らずに無理させると、生活習慣病になってしまい、”辛い長生き”になっちゃうんだなあ、と思うわけです。この”辛い長生き”を思い浮かべると、手を抜かずに料理する気にもなるというものです(笑)