小池さんの記者会見で、突然出てきた言葉”リセット”。希望の党の体制をリセットします、との文脈で出てきたのですが、その後の展開を見ていると、この言葉の重みを実感します。
何かを続けていると、不具合は必ず出てきます。修正したい、抜本的に直したい、お家のリフォームみたいに。でも、人や長い制度が絡むことはなかなか思い切ってできません。荒立てたくない、揉めたくない、と思っていると、いつの間にか取り返しがつかない事態になります。日本の不良債権問題や、年金問題、それに最近の東芝の実質破たんを見ると、日本はこの”お直し”が苦手なんだと思います。
昨日テレビを見ていて感じたのは、民進党もリセットしたかった、自分たちで菅さんや野田さん、それに枝野さんを追い出したかった、蓮舫の二重国籍問題も何とかしたかった、でも自分たちではできなかった。だから、すべてのリセットを小池さんに委ねた、という事だったんだな、ということでした。まさに”ママ何とかして”状態。”何とかして”の他人依存のリセットが果たしてうまくいくものかどうかはわかりませんけど。
リセットを成功させるには、周到に考えたシナリオと度胸がいるんだと思います。以前の民主党には両方無かった、小池さんには度胸がある。あとはシナリオをどの程度描いているかだな、と思います。このシナリオをどの程度描いているか、は、過去にどの程度苦渋をなめ、いつかは!という思いを強く持ち続けたか次第。このところの押さえた表情や発言を見ていると、この思いは、周囲が想像しているよりも強いのかもしれません。そういう思いの強さと度胸はリンクしますから。小泉元首相が良く口にする”小池さんは度胸がある”という言葉は、結構深いのかも。
都知事選のときの、小池さんへの自民党のバッシングは本当に凄かった。そして本当に街頭演説最初の頃はどん底だった。あのバッシングやハラスメントを感情的にならずに乗り越え、今の力を手にした小池さんには、怖さを感じるほどです。失言もなく、いつもドレッシーで笑顔を見せられるリーダーって、小池さんぐらいしかいないのではないかと思います。
リセットの瞬間、それは、大なり小なり、誰にでもあること。
例えば、仕事や生活を変えること。
今あるものを失ってでも勝負したいと思う瞬間があります。例えば転職や独立、それに私生活では離婚。ちょっと不愉快なことがあった、私はこんなもんじゃない、もっと高く評価してくれる人がいるはず、とさらりと行動する人がいます。でも、結局場所を移しても結果は同じか、むしろ立場が悪くなってしまう。”何とかして”ではなく”何とかする”じゃないと、変化は起きません。
”リセット”を成功させるには、胸にどれほどのものを溜めて、努力して、覚悟を決めるかなんだな、と改めて感じる日々。そういう目で今回の選挙を見たいと思ってます。