早いもので、今年も残りあと5日になりました。
今年は、例年にも増して、”やってみたいこと”にチャレンジした年になりました。その一つが、ゲストに直接お目にかかることでした。ALL THAT SPAのジャパニーズネロリの商品化を通して、これは直接ゲストに伝えたい、との想いが高まり、4カ所全ての店舗で、ワークショップを開催しました。各店舗で形態はそれぞれでしたが、スタッフにとっても大きな学びの場になったと思います。そして、私は、長年お世話になっているリピーターゲストの方々にご挨拶する機会を持てました。
その店舗に通ってくださっている方は、もちろんのこと、運営を終えた店舗からもゲストが参加してくださり、本当に感激しました。スパの運営には、正解があるわけではありませんし、ゲストとの相性もあります。それでも、”何となく、この店が好き、スタッフが好き”というお声を頂戴すると、何だかほっとします。
各店舗、それぞれに素晴らしいスタッフが集まってくれ、日々真摯に、ゲストへのサービスやメニューを考えています。技術や知識を向上させる努力には、私も頭が下がります。外部講師の方をお迎えしてのトレーニングの際、スタッフの姿勢や習得スピードにつきお褒めの言葉をいただくのは、本当に嬉しいものです。
そんな努力の積み重ねの甲斐あって、運営は着実に成長しています。スパにはホテルのブランド、化粧品のブランド、PRなど、様々な要素がありますが、結果につながるのは、人の要素しかありません。これは、自社で運営していても、コンサルやアドバイザーとして、他社の状況を見ていても感じることです。ゲストが感じる”何となく”は、不思議なほどに伝播し、数か月経つと、数字になって現れます。
つい最近、元上司であった、魚谷さんのお話を聞く機会がありました。日本コカ・コーラの社長~会長を経て、今は資生堂の社長を務められています。とある大学のMBAの学生向けに登壇されたため、凝縮したセッションを聞くことが出来ました。元々エネルギッシュであった魚谷さんは、更に進化を遂げておられ、一つ一つが本当に深い内容でした。お話を聞きつつ感じたのは、今のお仕事というか役割が、”やりたかった”ことだったんだろうなあ、ということです。日本コカはいい会社でしたけど、日本法人は、米国本社の下にある一事業所でしかありません。マネジメントでなければわからないご苦労も多かったのだと思います。資生堂は、売上1兆円を超え、復活し成長路線に戻ってきました。その原動力は、”人”なのだ、と繰り返し語っておられました。その人材開発についてもかなり具体的な事例紹介がありました。
実は、偶然にも、私の友人の奥様が資生堂の美容部員をなさっています。美しく気品のある方で、”この人にメイクしてほしい”と瞬時に思ってしまうほどのオーラです。数多くおられる美容部員の中でもトップランクの方だと聞き、100%納得しました。新しい体制になり、海外出張や後輩のトレーニングで、国内外出張の機会が劇的に増えた、とのお話でした。英語が大変なんです~とおっしゃっていましたが、本当にイキイキお仕事なさっていました。海外の女優さんやスポーツアンバサダーのメイクにも出向かれるそうです。そして、資生堂本店の売場に立つ際には、そのスケジュールを事前に把握した海外VIPが殺到し、一日で驚くほどの売上を達成されるそうです。(数字は言えませんが、月間店舗売上といってもおかしくない数字です)
健康や美容の世界では、日々色んな成分や機械が登場します。業態も様々です。そんな中、資生堂という伝統ある会社の物販を、時代遅れだと思う人もいるかもしれません。スパで提供するオールハンドのマッサージと同じように。
でも・・やっぱり顧客は”人”を信じて動くのです。当たり前と思われるこの事を、様々な形で実感する1年でした。
今年1年、スタッフの活動に心打たれたり、素晴らしい方との新しいご縁があったりと、実りある日々でした。年の瀬を迎えましたが、来年に向けての仕込みで、ワクワクしながら机に向かっています。スタッフと力を合わせて、”何となく好き”を広げていける年にしたいと思っています。