京都のスタッフから、”夏向けのメニューを作りたい”という提案がありました。(えらいっ!!)
東京の夏も厳しいものですが、京都は湿度がある分、また独特の暑さと疲労感。背中回りの疲労に加え、頭痛を訴える方も多いと気になっていたそうです。
そこで提案してくれたのが”薄荷”でした。わかりやすい清涼感なのですが、皮膚刺激があることもあり、少し話し合って手直し中です。(6月から開始するので、お楽しみに!)
そこでふと感じたことは・・。
精油の世界には季節の定義が無いものの、日本では明らかに”季節感”があることです。実はこれ、精油に限った話ではありません。海外のゲストをお迎えする際、こちらは”季節感”でお迎えしようと準備万端なのですが(笑)却って困惑されるようなのです。これにはこちらもビックリ。
確かに、ヨーロッパはずっと寒くて乾いているし、オーストラリアは、熱いと寒い(というか乾いている)しかない。香港は暑いけどずっとジメジメ。中国はとにかく乾いている。特に、アロマセラピーは、中東&ヨーロッパから始まっているので、そもそも、”高温多湿”という考え方が無いのかな、とか、冬は温泉であったまって柚子の精油で、なんて考え方はそもそも無いんだろうな、と妙に納得しました。
ということで!
精油の季節感は、日本独自のものかもしれません。(と、勝手に思う)。
ALL THAT SPAで最初に3つのブレンドを作ったとき、チャクラの考え方をベースに作りました。チャクラは赤から紫までのカラーバンドで構成されていますが、暖色系ほど温かい(エネルギーを増す)色と精油になり、寒色系ほど涼しい(エネルギーを鎮める)色と精油を選択することになります。
スタッフが夏に使いたいたい、と提案してきた薄荷は、ちょうど暖色と寒色が融合するハートチャクラの香りに使用したものです。RELAXANTEです。
この香りは、薄荷+月桃+柚子でブレンドを構成していますが、薄荷と月桃というブレンドが、日本においては夏向きのブレンドになったのだと思います。
で、その薄荷についてです。
薄荷はミントの一種ではありますが、そもそもミント自体が3000種とも言われる多様な種を持つジャンルなので、その特性はなかなか一言では言えません。薄荷は、和製ハッカとかジャパニーズミントと呼ばれて、ヨーロッパの優しい組成のミント類とは区別されることが多いようです。薄荷の特徴、それは、何といっても強い清涼感で、それは、メントールを主成分にしている成分構成にあります。
そもそも、亀の子(化学式)も違います。この図がとてもわかりやすいので引用。
実は、日本の薄荷は、歴史あるもので、輸出品としても地域経済を支えていました。平安時代の書物にはすでにその名があり、江戸時代に薬としての栽培が始まり、一般的に流通していました。
蒸留となると、もう少し時代が新しくなり、1800年代に、岡山と北海道での記録があります。北海道において、小麦や大豆の5~10倍の値が付く薄荷は、生産者にとってまさにお宝でした。
が、その後、戦争~減反~外国産薄荷~合成ハッカとの競合などがあり、昭和後期には、ほぼ事業を取りやめるようになります。
今、北海道では、滝山町というところで栽培されており、徐々に作付け面積を拡大しているそうです。私が北海道にいた頃、このあたりに出かけても、”薄荷はもう無い”と言われてガッカリしたものですが、復活はその後の取り組みで実現したことのようです。
ALL THAT SPAを作るとき、あきらめきれずに、”北海道の薄荷とか”と口にしたものの、その頃の記憶があり、まあ、無理だろうなあ、と思いきや、”ありますよ~”と言われて、逆にビックリ(笑)
RELAXANTEを作る際、この薄荷をどの程度ブレンドするかが、最大の課題でした。私は、薄荷好きなので、たっぷり入れたい。でも、それでクリームのサンプルを作ると、ひやひやし過ぎて刺激が強いとの指摘が。クリーム自体、ご家族でお使いの方もおられるようなので、お子さんが使用する可能性も考慮して、薄荷のバランスを下げました。
夏にひやっとした感じになりたい時は、ベイジングソルトに、和薄荷の精油を1~2滴加えて使っています。
薄荷を使用した入浴剤が市販されてはいるのですが、北海道のメーカーのものであっても、合成着色料や合成香料をふんだんに使っていてお風呂がま緑になってしまいました・・。(何故こんな作り方をする???)、心地よいお風呂には程遠いものでした。これはとっても残念。
薄荷を使ってみたい、でもブレンドに自信が無い、という方は、ぜひぜひRELAXANTEをお試しください。
ご購入はこちらから