香道体験をしています。
香道って、これ。
香りは,”聞く”ものだそうで、聞香(もんこう)といいます。こうやって”聞く”
香りの元は、香木です。
画像をネットから引っ張ってきたので、大きさがバラバラになってしまいました・・。
お茶の世界では、風炉の季節に香木を焚きます。この場合、香りを訪ねるのですが、"白檀なら訪ねない”というルールがあります。白檀=サンダルウッド、アロマの世界ではそれなりに貴重なものですが、何故?
先週の香道のお席では、珍しく先生が話をしてくださる時間があったので、香木について聞いてみたところ、ようやくその理由がわかりました!香道で価値があるとされている香木は、傷を受けて出てきた樹液が、長い年月をかけて固まり、その香り成分が木全体に染み出した状態のものなのだそうです。しかも何百年もかけて。最近では、中国の投資家が10年ぐらいで香りが出る手法を編み出したそうですが、まるでダメだとおっしゃっていました。さすが中国だと思ったり、きっと私などではその違いがわからないだろうなあ、と思ったり。
一方、白檀は、最初から香りがある。だから精油が採取できるわけですが、こういったものには、価値が無いと判断されるんだそうです。
樹液の話が出たので、フランキンセンスのことも伺ってみました。”あれは中東の人が体臭を消すために使うものです”とのお答え。キリストの伝説を聞き、オマーンのあの過酷な自然を体験した身としては、ちょっと(いやかなり)異論がありますが、まあこれは違う流派ということで。
同じ香りでも、随分考え方が違うんだなあ、と感じました。
精油の場合、中東で始まり、ヨーロッパで広がり、徐々に商業化し、香りの働きとともに、成分としての効能が科学的に分析されて、今のアロマテラピーに繋がっています。経皮吸収の効果もかなり大きいと認識されています。香りは油胞の中にあり、熱をかけて取り出します。もちろん、原材料の栽培もあり。
一方、香木の方は、自然に時間をかけて熟成されたものが評価され、熱をかけて取り出すといっても、その熱はほのかでほのかで、手間暇かけた温熱です。きっとこの香木にも樹液の中に油胞があるんだろうな、と思いつつも、厳格な先生に質問できませんでした‥。(次回は来るなと言われそうだったので)
とはいえ、大切な点は同じでした。
先生いわく、”香りは脳に直接届く。ストレス値の高い人ほど、聞香のあとは、よく眠れる。コロナ禍でストレスが多い今、香りが求められている”とのことでした。
もう一つ興味深い点としては、中国のお話。
中国では、香道や茶道がビジネスマンの間で人気があり、コロナ前は、先生も頻繁に中国に出かけておられたそうです。日本で教えるよりも、中国で教える方が多かった、とおっしゃっていました。(中国すごい!)
あまりに深いので、これまでなかなか習う機会が無かった香道ですが、やっぱり深かった・・。習う、稽古などと恐れ多くて言えない状態ですが、冬の香りも学んできます。