日本に暮らしていると、戦争は遠い昔の出来事で、口にする機会もほとんどありません。
が、海外に行くと雰囲気はかなり違います。
数年前、リトアニアに行った時、滞在した場所から見えるタマネギ型の屋根。うかつにも、”ロシア正教なんですか?”と口にしてしまい、大失敗しました。その建物、”憎しみの象徴”なんだそうです。すぐにでも壊したい、と市民全員思っているのだとか。美しい街並みの首都ビルニュスですが、街中には、ロシアに占領された時代に拷問を受けた施設が残っています。実は、私あまり体調が良くなかったこともあり、この施設の見学には行かなかったのですが、出かけた友人は、数日間体から重さが抜けなかったと言っていました。
穏やかなイメージが強いフィンランドでも、歴史博物館に行くと、ロシア時代の重く暗い歴史が残っています。リトアニアほど直接的ではありませんでしたが、森から悪魔が出てくる、という表現での伝承です。決して油断してはならない、と子孫に伝える強い意志を感じました。
日本も、中国や韓国では、同じように伝えられているのでしょうが。何事も、した側よりされた側の方が覚えているものです。
が、ウクライナの立場は、バルト三国や北欧の国々とは異なります。スラブ系・勇敢なコサックの子孫として、ソ連時代の戦争でも大活躍した勇敢な人たち。文化の中心、肥沃な大地。指導者の時代により、強烈な搾取や迫害を受けた時代はあるものの、”一族”なのだと思ってました。
なので、今回の侵攻や、実際にキエフを攻撃する様子には本当にビックリ。お友達や親せきだって、普通に住んでるでしょうに。何だか、敵国とか属国というより、愛憎を感じます。
例えて言えば、DVでモラハラな夫と離婚したのに、相手は離れてくれなくてストーカー化。再婚に向けて動き出したら、キレて襲い掛かってきた、という感じでしょうか。プーチンのマッチョ乱暴ぶり、恐怖でしかありません・・。
一日でも早く平和な日々が戻りますように。そしてまた、あのエリアに旅行に行けますように。