数年前から、私の周囲では、”地政学”がちょっとしたブーム。これだけ飛行機で移動して、ネットの力で世界が小さくなる中、いまさら立地ですかねえ、とやや疑問に思っていたのですが、世界中で尽きない紛争は、ほとんど隣国との間で起きているので、やっぱり大事なんだな、と思っていたところに、今回のロシアのウクライナ侵攻。
何か読もう、と思っていたところ、本棚に発見。(こういう種類の本は、たいてい夫が先に購入してます)
さすがの出口学長!入門編としてとってもわかりやすかったです。そして、前書きのところに、”まずは小さくても良いので地球儀を一つお手元に”と記してあったので、早速アマゾンで購入。ビーチボールでもいい、と書かれていましたが、クルクル回転する方が見やすいと思って、これにしました。直径15cmですが、文字も十分読めます。
改めて見てみると、欧州は小さい!で、実はウクライナは結構広い。このあたりが、何世紀にもわたって、国境線が変わり、異なるルールの中で生活していて、為政者も言葉も違う、となれば、それは揉めるよね・・。と改めて感じます。
欧州に限らず、土地が繋がっているところは、隣人との付き合いが難しく、アジアでも随時紛争が起きてます。幸せの国と言われるブータンでも、実は結構ピリピリしている雰囲気だし、おおらかに見えるモンゴルも、騙し騙されの雰囲気が凄かったです。片や中国とインドの間にあり、片やロシアと中国の間にあれば、その雰囲気は当然なのかも。
一方で、ヨーロッパは、まるで国内のように一続きで、いつ国境を越えたのかわからないぐらいにシームレス。鉄道でスイスからフランスに入るとき、雑草が増えると、”あっフランスに入ったな”と気づくぐらいです。(フランス人は、基本掃除が好きじゃないと思ってます)その移動しやすさを体験すると、フランスとドイツって、凄い!と心の底から感動してしまいます。
もともと旅行好きな私は、長年あちこちの国に行き、色んなところでスパのトリートメントを受けてきました。それぞれの国に面白い素材があり、文化があり、空間も施術も違ってました。共通していたのは、セラピストが皆、温かく優しいひとたちだった、という事だけです。それが本当に素敵で、旅のいい思い出にしたいことと、それぞれの国の違いを感じたくて、スパが好きになりました。それぞれの国を訪ねる楽しみは、精油探しや農園の訪問です。そのまま、日本にも当てはめて、日本全国訪ねるようになりました。
地球儀を見ていると、やっぱり実際に訪問した国の記憶は鮮明です。メディアで報道されているイメージと実際には、多かれ少なかれ乖離はあります。どこもまあまあ、ピリッとしていて、日本に戻ると、ユルっとしてるな、と感じます。
そういう目で日本を見てみると、平和で穏やかな空気感が特徴だな、と感じます。自然を愛でて、敬い、どこにいっても、祈りを捧げる場所があり、神様が喧嘩をしていない。そもそも宗教が無い、という人もいますが、神社とお寺と協会が仲良く共存しているのは、この国ぐらいです。そして、どこにいっても可愛いお地蔵さんがいて、服を着せてもらっていたり、お花やお菓子が供えられていたり。私は、これこそ、日本という国の根幹を為す価値観だと思うのです。
地政学の歴史は、物理的な人の移動手段と情報伝達の仕組みで変遷した、というのが要約です。これからも、時代に合った変遷があるのでしょうが、国としてのアイデンティティが、より重要になるんだろうな、と感じます。