昨年から続けている志野流の香道のお稽古に行ってきました。
”日本には香りを楽しむ習慣が無い”とおっしゃるアロマテラピー業界の方がおられるのですが、そんなことないんですよ!
日本の香道は、室町中期に始まり、江戸時代に大成したそうで、徳川家との繋がりが強かったのが、志野流なんだそうです。茶道でもお香を焚きますが、香道で使用する香木は、大変貴重なもので、基本二度と作れない・・。蘭奢待が有名ですが、何百年も前の香りを楽しむという優雅なものです。
香道の場合は、蒸留した精油を使うわけではなくて、温めた炭と灰の上に香木を置いて、その香りを楽しみものです。このスタイル、オマーンのフランキンセンスの楽しみ方と似てます。こういった形の違いも面白いです。
多くの和文化がそうであるように、これも原型は中国。それが日本に渡ってきて、変化を続けて今の形になっています。お香には名前が付いていますが、古今和歌集、新古今和歌集からインスピレーションを得たものが多いそうで、まさに、時空を超えて、平安時代の和歌が理解できないと、楽しめないという深い遊びです。そして、更にその源は中国の歌。
今年のテーマは、雪月花+風ということなのですが、雪月花は、白居易の歌から来ています。
で、今回のお題は「花」これを香りでストーリー仕立てにしていくという、本当に優雅なお遊び!前の方のストーリーを継ぎつつ、私が選んだのは、「春の山ふみ」。何といただいて帰りました!
華やかな雰囲気がありつつも、野を感じられる優しい香りでした。私の前の方が選んだのは、「桃源」「吉野山」だったのですが、こちらは、包から出すだけで、ふわっと香りが立ってました。
「花」がテーマではありつつも、雨風厳しい日だったので、花模様が織り込まれた白大島にしました。雨なので、洋服にしようかと思いましたが、まだスニーカー(しかも1足だけ)しか履けないので、草履の方が楽なんです・・・。帯は更紗をチョイス。中東から中国を経るイメージ。
香りは本当に偉大です。
コロナに続き、悲しい映像が日々送られる中ではありますが、このお稽古のひとときで、スッキリした気持ちになりました。
スパにお越しのお客様たちも、そういうお気持ちになっていただければいいな、と願うひとときです。