新宿の柿傳で開催された、林屋先生七回忌の追善茶会に行ってきました。席主は、潮田氏(元LIXILのCEO)です。前回の追善茶会は三回忌で、林屋先生が書かれた「茶狂」の軸がかかるお席で、席主は筒井先生でした。今回はどんなお席になるんだろうか?と楽しみにしていた茶会です。
寄付 池大雅 般若心経
床 本阿弥光悦 俵屋宗達 蓮下絵百人一首
茶碗 光悦 銘 朝霧、 尼呉器 銘 玄雲(林屋先生愛蔵)、長次郎 黒平 銘 深見草
の道具組でした。
般若心経で心静かになり、光悦の軸から茶碗に流れが作られ、それに続き故人愛蔵の器があり、長次郎の黒平(夏らしく珍しい)で敬意を示すという、素晴らしい流れでした。こうやって、想いを形にするんだなあ、と感動しきりです。蓮が印象に残る茶席でしたが、日本では蓮は追善、中国では艶っぽさを意味するとのお話があり、これも勉強になりました。(精油みたい!)
ちょっと一服点てられるといいな、と思って始めたお茶ですが、始めて見ると無知を恥じる機会が多く、新たな学びのきっかけになっています。登場する歴史上の人物、明治以降の財界人、それに歌人にお香。
まさに底なし沼なのですが(笑)、今興味があるのは、明治以降の財界人のお茶です。それを知るのも、こういったお茶会で耳をダンボのようにして聞いてメモを取って、調べて、美術館に行って、ようやく少しずつ理解できるようになるペースですが。
潮田さんの茶会に出ると、正客の方たちが、”現代の益田鈍翁”と表現されます。??→益田鈍翁を調べる→三井を調べる→根津美術館に行く→根津嘉一郎を調べる→五島美術館に行く→五島慶太を調べる、という流れです。この時代の財界人はほぼ全員お茶をやっておられ、それぞれが茶会に招待しあう関係だったようで、その繋がりを調べるのがとても楽しい。
で、五島慶太→戦後復興→歌舞伎町の開発、と今に繋がっています。
新宿のSPA sunyaには、山川草木の書のアートがかかっていますが、作家さんを選定なさったのが、五島美術館の館長さんです。この秋に五島美術館で開催される茶会にも申し込みましたが、また新たな発見があるのでは?と楽しみにしています。