本日(週末ですが)早稲田大学&ICOMOS共催の文化遺産のオーセンシティテシィについてのセッション視聴中です。
世界文化遺産、文化遺産の保全の話に始まり、観光の観点からの文化遺産の位置づけについてのセッション。関西国際大学宗田教授のお話はとても興味深い内容でした。(改めて聞きたい)
文化遺産保全をしている立場からは、観光(特にオーバーツーリズム)が、文化遺産を破壊しているのではないか?という視点がある一方で、文化は時代時代で作られていくもの、という視点もあり、立場の違いでの視点の違いは本当に面白い。だからこそ議論する価値があるんだと思いました。
事例で出てきたのは、ヨーロッパの例。為政者が変わるたびに、その目的に合わせて街は作り替えられ、また目的が変わると、定めた”起点”に合わせて改修が行われるというもの。街並みの変化や歴史的建造物の改修事例を見ると、実は結構成り行きなんだな、と感じる点も。
六本木ヒルズもいずれは文化遺産になるか?の問いには、十分なるとのお答え。確かに、江戸城(皇居)、東京駅、そしてそれに匹敵するインパクトなので、維持できれば十分ありなんだなと感じました。
今や観光立国化しているドバイ。急にいろいろ作って、観光プロモーションをやり始めた時には、”ハリボテ”と思いましたが、砂漠と近代建築のコントラスト、砂漠ツアーなど、十分観光資源になっているんだとか。で、私自身衝撃を受けてしまったのは、ベリーダンスを最後に見せるそうですが、ベリーダンスはこの地域の文化ではないそうです。(知らなかった!)
という事はですよ、遠いアジアのちょっとした差は、”やったもん勝ち”になる可能性もあるということですね。
文化の盗用が問題になる中、日本では、”それは日本のもの、誰でもわかる”と楽観視していますが、お隣の国の財力と行動力を持ってすれば、”これは中国の文化”と言われちゃう可能性もアリあり。
歴史的文化建造物も、遡れば、その時代の権力者が財を投じて作ったものなので、歴史は財力の証でもあると思うんです。弱者と貧者のものは残ってません。。その意味で、茶の湯が残っているのはすごいこと!
世界が均一化していく中、生き残っていくには、”日本らしさ”を整理してきちんと残してプロモーションしていくことが、本当に大切なんだと思いました。
その過程の中、文化財の保全と観光での活用は別に考える必要があるのだと感じました。
文化財の保全は、保全を優先し、アクセスできる人を制限する必要があるし、観光活用は、忍者、アニメ、川越みたいに、歴史の要素を取り入れながら、数に耐えられるように再編集する必要があるのだと思います。そういう意味で、ホストクラブ(の一部)が、ムーランルージュみたいにならないものか?と色々妄想中。