トランプとゼレンスキーの史上最悪と言われる会談の様子が世界中に発信されてしまいました。人の上に立つ(はず)の人たちの醜態、本当に子どもの教育に良くない。
報道では、一部が切り取られてしまいますが、米国に住んでいる友人が、英語全文を送ってくれたので、読んでみました。トランプ良く我慢した・・・、というのが第一印象でした。
侵略が許せないのは当たり前のこと、力による現状変更も、もちろん良くない。でも、現実には資金や武力を持たない非力な国は、いつもその危険に晒されますが、何とか最悪の事態にならないように努めてきています。それでも、ひとたび事が起きた場合、資金が尽きたら、やっぱりやられてしまうのです。
ウクライナの場合、自己資金で戦争をせずに、他国の資金で何年も戦っている稀有な例。支援している国は、自国に使いたい資金を、ウクライナの武器供給に振り向けて早3年、もう限界なのです。日本だって、ウクライナに提供した資金があれば、教育や介護のサービスをもっと充実できたかもしれない。多額の資金を提供している米国の場合、その”たられば”はもっとリアルで深刻なのだと思います。
今回、ゼレンスキーの服装も、議論となりました。イギリス王室も気にしなかったのに、トランプが気にするにはおかしい、といった論評もあります。これにも私は大反対。
会社に置き換えて考えてみましょう。
つぶれそうな会社があり、社長は何とか事業と社員を維持したいと考えているとします。事業はずっと赤字、毎年巨額の資金を銀行や投資会社から融資してもらい、何とか持ちこたえている。そんな中、銀行のトップが変わってしまい、自社に対しては否定的な人になってしまった。そんな状況で、自分のスタイルを貫くカジュアルな服装で、腕を組んで、相手に説教をするか?という問題だと思うのです。
自社の社員を守りたいと思ったら、資金を求める経営者は、考え得るすべての事をするんです。礼を尽くした服装で、何度でも御礼を言い、そして理解を求め続ける、そういう姿勢でなければ守れない時もあります。企業の再建に従事していた時、資金確保の重さを嫌というほど感じました。来月の給与が払えない、金融機関が追加融資に合意しない、すぐに飛んできて事業計画を説明しろ、と言われて、東京と宮崎を週に3往復した日々、、、どれほど無能よばわりされても(それ私の責任じゃないと思っても)とにかく頭を下げてお金をもらうしかない、凄い日々でした。そういう時には、とにかくちゃんとした服装で、地面につくほど頭を下げるものです。
今回の場合、一部の事業譲渡(領土分割)、資産没収(レアメタル)、経営陣の入れ替え(大統領交代)を条件に、一部の事業(領土)、従業員の雇用確保(国民の安全)を担保するというシナリオなんだと思います。それを彼は蹴ってしまった。
米国は、欧州の国々ほど器用ではありません。欧州の国々は、口は出しても資金や手は出さない。結局最後は、米国の資金と武器に頼って収めようとし、その間に勝手にいくつかのルールを決めてしまう(温暖化対策とか)。
今回も、烏合の衆のように会議だけはやって、”連帯”を口にするものの、実効性は無く、結局鍵を握っているのは米国です。
ウクライナの不幸は、ゼレンスキーを大統領にしてしまったことです。地政学的な問題はもちろんあります。ただ、バルト三国など、近い状態にある国もいくつかある中、本当に注意深くロシアという国と付き合ってきている様子を見ると、あんなに単純な対応では無理だったのではないか?と考えてしまうのです。そして、彼は、以前の日本陸軍のように、最後の一人まで戦わせるつもりなんだろうか?
日本にとっては、他人事ではなく、今回の問題から学ぶべきことは多くあります。