着物を整理していたら、白大島が出てきました。このままでも着れそうな、直した方が良いような、微妙な感じでずっと放置。ちょうど、近所の悉皆屋さんが、”コロナで職人の仕事が減って困ってる。直す着物があったら持ってきて~”と言っていたので、思い切って直すことに。悉皆屋さんはご近所なので、袋に入れてすぐに持っていきます。こういう時、神楽坂はとても便利。
着物って本当に凄くて、ちゃんと直すと本当に新品みたいになるんです。特に大島は、表地が痛んだら、裏返して仕立てるというウルトラCがあって、かなりの状態にものまで直せます。今回の場合、胴裏にシミがあり、八掛の色が今一つ気に入らない、というあたりが難点でした。全体的にくたびれた感じもあるので、洗い張りして(分解して反物に戻すわけです)、新しいパーツとともに仕立て直すことになりました。
ちなみに、八掛はビミヨーに表から見える。とっても少ない面積なのに、帯を合わせるとやっぱり変・・。まあ、私が寒色系が好き、という理由もあるのですが。
直すと決めたは良いものの、胴裏と八掛が必要。悉皆屋さんで手配も出来るけど、”そういうのはヤフオクで買うのよ~”という着物達人の友達の話を思い出し、初チャレンジ!
胴裏と八掛を購入して、仕立て直してもらったのがコレ。
手元もちらっと見えます。
たったこれだけの事で印象が変わるのが、着物の面白いところ。合う帯も帯揚げも、がらりと変わります。
ちなみに、紬は基本的にカジュアルなものですが、どこで聞いても、”大島紬は別格”という言葉。特に白大島は、合わせる帯の格も高めまでOKなんだそうです。このあたりのルールがまた奥深い。
今回直そうか、と思ったきっかけも、川島織物さんに、”格高の帯も、白大島ならかなりいける”と言われたのがきっかけ。現金なものものです(笑)。
それにつけても、着物の再生力は本当に凄い!直して直して、何十年も(ときには百年以上も)着続けることができる衣服って、着物ぐらいなんじゃないかなあ。
ほぼ新品になり、たとう紙に包まれて戻ってきた大島、長く大切に着ます。