スパの立ち上げの際、それはそれは数多くの買い物をします。ホテルにしてもレストランにしてもそれは同じなのでしょうが、スパの場合、業界そのもが新しく、サプラヤーが確立していないこと、既存のサプライヤーのみだと、物が揃わなかったり、コンセプトに合わなかったりで、最期の最期は、街にお買い物に出ます。
こんなとき、頼りになるのが、無印良品なのです。日常生活でも良くここでは買い物をしますが、業務用のものを購入する視点で見ても、本当に良くできている(しかも安い!)と思います。
ちなみに、今回は、トレイ(木製、籐製)、小分けにするケース、時計、ティッシュボックスのカバー、ごみ箱、シャンプーボトルなどを購入しました。以前、北海道のスパを立ち上げたときには、ネット販売がまだ一般的でなく、店舗に買い物に行き、ダンボール何箱も送ったり担いで帰ったり(時間がなくて・・)しましたが、今やほとんどネットで注文できるようになり、本当に大助かりです。
身近なブランド、無印ですが、海外での評価はとても高いのです。特に、クリエーターと呼ばれる人たちは本当に大好き。海外からファッション、広告、音楽などの業界関係者が来て、トーキョー案内することになった場合、まず、彼らが行きたがるのが1)キディランド2)無印良品3)秋葉原4)パークハイアットです。秋葉原はやや人による、という面もありますが、無印はほぼ外しません。海外にもお店はありますが、規模が小さくて、品揃えも日本ほどにはないため、もう嬉々として買い物に没頭してしまい、予定が大きく狂ってしまうこともしばしばでした。
パリはサンジェルマン・デ・プレ、ロンドンはソーホーと、オシャレ度の高い人たちが集まるエリアに、いい感じのショップがあります。これは日本人としてはちょっと驚き、とっても嬉しい瞬間でした。おおっやるなー!とその瞬間から私の中でMUJIの評価はぐぐっと上がったのでした。
それから早や数年、今MUJIはまたまた進化しているように見えます。当初”わけあって安い”からスタートしたこのブランドですが、突出したデザイン力と、大量生産から来る(のであろう)手ごろな価格で、益々パワーアップです。
無印のデザインが、ナチュラルで主張しすぎないことで使いやすいことはもちろんですが、素材の選び方、大きさ、形と本当に良く考えてあると感心します。この使い勝手の良さを追求する姿勢は、スパを企画・運営する立場として、刺激を受けることも多いのです。
海外のライフスタイルグッズブランドや家具のブランドも数多くありますし、それぞれに素敵なデザインだなあと思うことも良くありますが、無印の場合、その細やかさが非常に日本的に映ります。スパの運営も同じで、日本のスパは海外と比べ、本当に細やかです。無印の海外での評価の高さを思うとき、日本のスパも高く評価される日が来るといいなあ、と思わずにはいられません。