昨日、日本中医食養学会の設立20周年セミナーに行ってきました。薬膳について活動している会の方々です。ほぼ終日びっしりの充実した内容で、改めて食べることの大切さや薬膳の奥深さを実感しました。
スピーカーやシンポジウムの登壇者も、多岐にわたっており、中医の専門家から食をリードしている方、医療関係者、食材提供者まで様々でした。
特に印象に残っているのは、帯津良一先生が、ご自身の病院で薬膳粥を出しておられた頃のことです。がん患者の治療に際し、病院で滋養に満ちた食事を出し続けることのご苦労や、食に対するときめきが、自然治癒につながるとのお考えを聞き、とても感銘を受けました。そして同時に、がんを患っていた母の食事をどうすればよいのか途方に暮れていた時のことを思い出したりもしました。
シンポジウムでは、惣菜協会の会長さんや、カット野菜などを供給しているデリカフーズの社長さんのお話が印象的でした。今の日本では、摂取カロリーの70%が外食や中食で占められているそうです。だからこそ提供する側の意識が大切、とのお話で、ホテルやスパが果たす役割の大切さを実感しました。
ともすると、”自宅で作ろう、手作り以外はNG"となりがちなのですが、素晴らしいと思ったのは、こういったセッションを受けての中村きよみ理事長のクロージングスピーチでした。作る技だけでなく、選べる知識を啓蒙しないと意味が無い、との話をされました。
食べることは生きること、との思いを一層強くした一日でした。