最近、何名かのセラピストから、キャリア相談を受けました。あまりにも内容が似ているので、何かあったのかと思ったぐらい。
内容は、”セラピストは何歳までできる仕事か?”というものでした。共通している内容はこれだけで、だから結婚して専業主婦になろうかな、というものから、転職しようかというものまで、様々。
私は、セラピストは一生の仕事だと思っています。だからこの会社を作りました。
日本では、エステティックサロンの印象が強いので、若くて細いエステティシャンが多く働いています。一方で、海外に目を転じると、エステサロンでも、ベテランが素晴らしいケアをしてくれますし、ハワイあたりでは、おばあちゃんセラピストが、ふくよかな体で、ゆったりロミロミをしてくれます。技術者としても、経験豊かなセラピストだからこそ、提供できる技があると思っています。私も50代になると、若いスタッフが出てくると、却って不安になることもしばしば(笑)
私が、ウェルネス・アリーナを作ったとき、3つの事業を持ちたいと思っていました。一つはホテルスパのオペレーション、もう一つはアカデミー、そしてもう一つは、商品開発です。ビジョンを立てたはいいものの、日々オペレーションのフォローに追われ、なかなか2つ目と3つ目に本格的に着手できずに、今年で10年目になってしまいました。
昨年あたりから、ようやく商品開発が本格的に動き出しました。そして、アカデミーの前身となる、社内トレーニングの仕組みに、やっと着手することができました。商品開発とトレーニングとオペレーションを、一気につなげようとしたために、若干混乱が生じ、現場には迷惑をかけてしまったようなのですが、それでも、何とか前に進みつつあります。
私は、セラピストとは、健康に関する知識と技をもった、かけがえの無い存在だと思っています。
フルタイムで勤務できなくなっても、自分のペースでトリートメントしたり、人に教えたり、セミナーやワークショップをやったり、その専門性を活かして、働き方を選べる人生を歩んでほしいと願っています。
もちろん、そのためには、セラピスト自身で勉強し続けることが不可欠です。年齢を重ねて、より大切にされる存在であるためには、立ち居ふるまいや身だしなみはもちろんですが、リーダーとなる包容力や温かさが、より重要になってきます。
”若くて綺麗で体力があるからできる仕事”ではなく、”経験を重ねてこそできる、一生の仕事”として、スパセラピストのキャリアパスを作っていきたいと、改めて思います。