高知県にある、牧野植物園に行ってきました。植物の恵みを受けている者は、一度は訪問すべきこの場所、五台山頂のそば、見晴らしの良い場所にあります。
ダダ~っとお庭が広がっているところを想像していたのですが、木を活かした低層階の建物が迎えてくれます。とってもいい感じ。
2棟からなる展示棟と、ゾーンで分けられた植物園から構成されています。展示物は、高知県出身の牧野博士の功績を辿っていくものですが、興味深い記述が随所にありました。
世界的な植物学者となった牧野富太郎博士、新種を1500種も発見したという業績ですが、その出発点は高知にありました。なぜに高知かというと、日本に存在する植物の6000種の約半分3000種が高知に存在したから、ということだそうです。山あり、海あり、台風ありのこの土地には、多くの種がもたらされ、そして豊かな水と温暖な気候の中、育っていったのでしょう。
牧野博士は、裕福な家に生まれ、早くから学問に取り組んでいたものの、小学校が退屈だという理由で中退、その後はずっと独学で学問を究めた方です。分類の正確さに加え、植物のスケッチも精密で、道を究める人は何でも一流なんだな、と感じました。
日本での植物の活用は、もともと漢方の原材料を中国からの輸入に頼っていた江戸時代、コストが高かったため、国内採取を幕府が奨励したことが、きっかけだったようです。個の政策により、国内産地は活性化したものの、その後工業化~一次産品の輸入政策の結果、産地の多くは消滅しました。今、日本は、西洋ハーブも漢方の原材料もほとんどを輸入に頼っていますが、時代は巡るで、再度国内調達に切り替えて、産地を育てる時期に来ているような気がします。
牧野博士は、薬草の発見にも多くの貢献をなさった方なので、敷地内には、薬草ゾーンもあります。
女性にお馴染みのトウキも発見!
見晴らしも良好!
この素敵な植物園、高知県立で、設計は内藤廣さん。自然に溶け込んで、動線も良くって、ほど良い場所にカフェがあって、とっても快適な空間です。
地元の奥様方が、植物画の講習に参加なさっていたり、野草の料理教室の案内が置かれていたり、とても活気のある場所でした。高知いいなあ!!